02_愛がなんだ

愛がなんだ

翌日まで頭がいっぱいになって、それは良い映画だったからとも言えるけど、いかんせん翌日仕事なのに4時過ぎても寝付けないのは困る。めちゃ眠い。でも考えちゃう。

「君の名前で僕を呼んで」を観た後もこんな風に心がみじん切りにされたなあ。失恋はもうずっと前なのに、なかなかどうしてこうも気持ちだけは鮮明に蘇ってしまうものか。昔の私のこと、不毛な恋愛相談をした友人のこと、映画の途中に色んな顔を思い出した。

他の人のレビューを読んでいると、みんなマモちゃん(成田凌)が「俺かっこよくないじゃん」って言ってるところにイラー!と来たり、そこで興醒めしたりしている。私は、あれはテルちゃんのフィルターがかかった姿なのかなと思った。本物のマモちゃんは劣化版成田凌ぐらいなんじゃないかなーと。好きに溺れてる時は相手が世界で一番かっこよく見えるけど、陸に上がったら「何で?あれに?そんなに?」ってなる。テルちゃんも早くそうなればいいのに、

同じ監督の「サッドティー」は観たことがあったけど、途中で「あ、これサッドティーの続編だ」と気付いた。もちろん登場人物は違うけど、「好きの考察」のテーマを引き継いでる。

最低な男と都合の良い女に見えるけど、のめり込む恋がそこにあれば、誰でもマモちゃんになり得るし、テルちゃんにもなり得る。全員が加害者で被害者で、ズルッズルで不毛な関係がぐるぐる回ってる。断ち切れないよな、不毛よな、でも執着の中にいるテルちゃんは辛くて幸せそうだった。演じた岸井ゆきのが素晴らしかった。

メインビジュアルになっているマモちゃんがテルちゃんをおぶってる姿。本編には無いシーンなので実際にあったのかテルちゃんの妄想なのかは分からないけど、出会った日の服装で、2人とも屈託のない笑顔で、ここが2人の最高潮なのかなと思って泣けてくる。
最後に流れるHomecomingsの「Cakes」がぴったりで、優しくて、悲しくて、救いになる。元々好きな曲だったけど、映画とセットになるだろうなあ。


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