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8日目:アイスランド北部(アークレイリ)

アークレイリとパスカルピニョン

この日はアイスランドで二番目に大きい都市、アークレイリでのんびり過ごす。二番目と言えど観光向けのショッピングストリート、教会、美術館、植物園があるぐらいの小さな街です。

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映画館もあります。左から、スターウォーズとバックトゥザ・フューチャーを合わせたやつ、サッカーが大爆発するやつ、キングコング…か…な?

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久々の青空にテンションが上がってアイスを食べました。でも寒かった。同じようにテンションが上がった地元民?たちは半袖短パンで日光浴をしていました。寒くないのだろうか。

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ホットドッグも食べました。ちなみに「宇宙一美味しい」で有名なホットドッグはレイキャビクにある店舗です。でも看板に同じマスコットキャラクターがいるんだよな。チェーン店なのかな?

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こいつ。アイスランドで食べるホットドッグはラム肉が入っているので、ラム好き以外の人は口に入れると「ウゲ!ラムくせぇ~!!!」となります。そう、私のようにね。

レストランで食べたラムチョップは臭みが全然無くてゆめうま~だったから上等なお肉だったのかも。「ラムはあの臭さがいいんだよ!」というラム好き(夫)は満足そうでした。だから味は美味しいはず。

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アイスランド中でちらほら見かける石に絵を描いた人形。義母にお土産で頼まれて「石!」と思ってたけど、売っているところは見かけなかった。お土産としての需要は無いんだろうな…なぜなら石だから…。

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普通の民家がとにかくかわいい。うっとりしちゃう。

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蜂もモフモフしててかわいい。うっとりしちゃう。

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植物園も静かで良かった。観光地ではないので、ただのんびり歩きたいだけの人にぴったりです。

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日本ではあまり見かけない花々もかわいかった。

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2泊するには時間を持て余す街。ちょうどよく何でもあって、活気もあって、旅路の休憩にはとても良かった。適当に入った古着?雑貨屋さん?でPascal Pinonの音源を発見して嬉しくて買ってしまった。ずっと前に音楽配信サイトで働いてた時、2回ほどページ作成を担当したんだよね。そういえばアイスランド出身だった。そうだったそうだった。

翌日、アークレイリを出る時に車でかけて気分と景色になんと合うこと。特に思い入れが強いわけではないこの街に、もう一度来ることを誓いたくなる。今もこの曲を聴くと心がぎゅっと掴まれて目の前にアークレイリ郊外の景色が広がるので、やはり音楽は他のメディアより強い。写真は記録だけど、音楽で切り取った景色や人は記憶になる。記憶なら、気持ち次第で事実よりも濃くなる。気持ち次第で忘れもするけど。


シガーロスとリングロードと天国

他の旅程と異なり、この街には冒険がほぼ無い…ので、このまま音楽の話をしちゃおう。

アイスランド出身のミュージシャンはビョークを筆頭にたくさんいますが、おそらく次点ぐらいで有名なバンドにSigur Rosがいますね。彼らのリングロードを24時間かけて一周しただけのロードムービーが素晴らしいので見て。Part1だけで9時間近くあるから分けて見て。

友人はこれを見て旅行先をアイスランドに決めたらしい。レイキャビクから始まるから最初は街中なんだけど、30分を過ぎたらもうアイスランドらしい景色が広がります。個人的には1時間48分ぐらいに見えてくる山が完璧。見て。

どミーハーな私は「絶対にリングロードでSigur Rosをかけるぞい!」と心に決めていたのですが、実際にケフラヴィーク空港からリングロードに入る手前でかけてみたものの、何せこういう「ホワ~…アアア~!ホワ~…ズーン」みたいな音楽なので、アイスランドのドライブもシガーロスを聴くのも初めてな夫はパニックになってしまうんじゃないかな。リングロードに入る前に召されちゃわないかな。と思って自粛しました。


マックデマルコと私のドリーム

とはいえはるばるやってきた地の果て。日本語の曲は聴く気にならない。Spotifyでダウンロードしてきた洋楽を適当にかけたところ、Mac Demarcoの「Another (Demo) One」が流れます。

MVについては「何なんこれ」の一言なんですが。何なんこれ。

アイスランドの重い雲、暗い道、変わった形の山々、ファンタジックな景色に、この頼りなくて危なげな曲の雰囲気が合致して、この曲が流れた瞬間に旅に浮かれた心が急に地に着いた。あ、現実なんだな。来たんだな。と思って鼻の奥がツンと痛くなって、自ずと涙がにじんできた。音楽は好きで今までもたくさん聴いてきたつもりでしたが、この感覚はまったくの初めて。

変なMVついでに変なことを言うと、昔から「どこかの異国でとてつもなくすごい景色を見る」という夢を何度も見ていて、その中で号泣したり胸が苦しくなったりするんだけど、起きると一日ぼーっとしてしまって「いつかあれを現実として掴めたら」と頭の中がぐるぐる回っている。設定としては、サンフランシスコの夕焼けやアフリカの砂漠だったり。実際はどこにあるかも、本当にあるかも分からない景色。

あの夢の端っこを初めて現実でつかまえられた。ちょっと泣いた瞬間は、夢と現実の間にいた。夢の話をするとどうにもこうにもふわふわしてしまうのですが、私だけが知る私だけの感情で、不思議な体験でした。これを捕まえる事が人生のテーマでもいいと今は思っている。

私にとってだけだから伝わらないだろうなと思うけど、「私にとってだけ」のものが今ほかにどれぐらいあるのかを考えたら、あまり無いですね。やはり大切にしていきたいし、分かってもらえなくても話したい。


アイスランドを救うのもやっぱりでんぱ組.inc

こんな話をした後で言うのもなんですが、アイスランドで一番聴いたのはでんぱ組.incだったんじゃなかろうか。それぐらいリングロードのドライブは過酷を極めるものであった。

夜が迫って暗くなったり運転時間が長くなってくると、とにかくポテチを口に放り込んで(夫いわく、ポテチを食べると「美味い!」という電気信号が脳に送られて眠気が覚めるらしい)でんぱ組をかけて二人で歌って、テンションバチバチで行こうぜ!と高め合う。

一見、万年助手席の私までバチバチにしなくても良さそうですが、助手席の私が寝たら運転席の夫も寝るシステムなので私もバチバチにならなくてはならないのである。でもコーヒーは飲めない。なぜならトイレチャンスがいつあるか分からないからだ…!まさに夫婦。まさに運命共同体。この旅も、でんぱ組には大変お世話になりました。

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