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「ロミオと青い空」観劇記

「ロミオと青い空」とは

ストーリー
19世紀後半・イタリアの国境に近いスイスの小さな村で少年ロミオは、貧しくも家族で幸福に暮らしていた。

しかし一家の畑を悪人の陰謀で失ってしまい、ロミオは家計を助けるために、自らを人買いに売りミラノへ煙突掃除夫としてやって来る。

きつい煙突掃除の仕事や親方一家の辛い仕打ち、地元の不良少年団「狼団」との争いなど、ロミオにとって厳しい毎日が続くが、親方の娘アンジェレッタの励ましや親友アルフレド、煙突掃除の仲間たちと助け合って暮らしていく。

そして仲間と共に「黒い兄弟」を結成し、強く友情を誓うのだった。https://www.romisora-musical.com/

31日の初日を観てそこから合間を見て少しずつ書き上げた感想記となります。

アニメも見ていた世代ですが20数年後に舞台になるとは思ってもいませんでした。舞台にはイタリアの街が広がっていてそこには黒の兄弟と狼団、みんながまるでアニメの世界から飛び出してきたかのように確かに存在していました。
ロミオの舞台化にあたりどこを削るんだろって思ってたけどあれもこれも削らずに収めたの本当に圧巻な出来栄えで30話をひとつにまとめ上げて、そりゃ3時間45分で休憩1回10分の文句なしの作品に仕上がっていました。

まずは無事に幕が上がって本当に良かったです。とっても素敵な3時間45分でなにはともあれ皆さん歌が上手い&曲もいい!!脚本もアニメ全編を押さえておきながら違和感なく綺麗に纏まっていたかと思う。大天使アンジェレッタはそこに存在していました。
※無事に幕が上がって良かったとはこの件。
ミュージカル「#ロミオの青い空」について重要なお知らせ


ロミオやアルフレド、ジョバンニなど他のメンバーもみんなアニメのまんま感が凄くてキャストに不満が感じられなかったのはすごくイイと思う。主役のロミオやアルフレドを演じられたお二方素敵な役者さんだったし、ジョバンニを演じられた方もいい演じられ方で元よりあったイメージより繊細さと芯の通ったカリスマ性があるキャラクターとしてそこに存在していました。個人的にはロッシ親方最高でした。
またアンジェレッタのあの儚くも切ない存在感が演じられていた北澤早紀さんの持つ雰囲気にドハマリしていた。またあの歌声も素敵で完全に不意を突かれて泣いてしまった…(´;ω;`)
北澤さん演じるアンジェレッタと久世さんが演じられた氷の伯爵夫人ことイザベラ様との曲、二人の心のすれ違いをかけ合いで表現しつつ最後にハモっていくのが静の場面としてとても素敵なシーンの一つでした。
動の場面としては黒い兄弟と狼団の決闘シーンとか黒い兄弟と狼団が同盟を組んでアルフレドとビアンカを太閤殿下のお屋敷にどうにか潜り込ませるまでの一連のシーンでしょうか。


分かりきった話ではあるが舞台は配信も良いけどやっぱり現場での息吹を感じる事に尽きますね。初日観覧中はアクシデントも起きたけど(※)役者さんたち落ち着いていてくれたおかげでこちらもすぐに物語に没入できました。まさに「Show must go on」を感じられました。
※上演中に地震が起きていました。

アニメを見た時から時代を経て大人になって当時とは違う感受性になり生身の役者の演じる迫力(仲間の絆、家族や兄妹の愛…様々な交錯する思いが詰まっていて)に押されてストーリー知っているはずなのにこんなにも泣かされる場面があるとは思わなかったです。・゚・(ノД`)・゚・。

名作劇場っていうコンテンツはミュージカルととても相性がよかったし、和田さんの曲の圧巻さがこの舞台の世界観を綺麗にまとめ上げてくれたのだろうと思いました。

ミュージカル「ロミオの青い空」開幕!友情、そして愛と勇気。「負けない!」/シアターテイメント
https://theatertainment.jp/japanese-play/100423/


東京建物 Brillia HALL


千秋楽配信実況

ずれ込んで始まった31日の初日公演を観て千秋楽も気になり配信の方も見てしまった。この状況で一公演を見届けられることがどれだけありがたいことか再認識しました。

全9公演の予定がその内5公演も直前に中止になるってスタッフやキャストの皆さん苦渋の選択や決断の連続だったと思うけれども、大変なことを乗り越えたからこそ見たみんなの心に残る作品になって欲しいです。(できれば同じキャストでもう少し長い期間の再演希望したいところ!)
改めて衣装や台詞など本当に細部までものすごくリスペクトが感じられて素敵な世界観でしたし大道具セットの使い方の妙もとても面白かったです。自分の中の作品の記憶を素晴らしい形で上書きすることが出来てありがとうございました。

舞台のヲタクを30年近くやっていると好きな作品の舞台化が自分の解釈とは違うものにされた経験がそれなりにあって、作品を軽んじているというのか作品の名前が欲しいだけで物語を深く理解しようとせずに作り上げられてしまった舞台があった。

そんな訳で当初この作品の舞台化を身構えてしまい手放しで喜んではいなかったんだけど、二幕構成で3時間半を超える中で目まぐるしく登場人物たちの気持ちが揺れて~関係性が動いていきロミオが成長する様子を体感できるとんでもなくよい舞台でした。

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