「お願い」は遊び心が有効かも
ある霊園のトイレ内にユニークな貼り紙がある。
「もう少し前に出てね。しずくをこぼさないでね」
と、小便器の前で男性殿方に静かに訴えるジョークたっぷりの貼り紙だ。
こんな事言われたらつい自分のムスコをじっと見て
「たしかにしょーもないなぁ」
と、がっくり肩を落とす。
そして書いた人がどんな想いで書いたのかを想像しながら、こぼさないように注意して用を足す。
こんなジョークたっぷりでお願いされるとなぜかすがすがしい気分になってしまう。
この手の貼り紙はよく公共のトイレで見かける。
やはり掃除する側からすると他人の小便の処理をするのは嫌なもの。
見張っているわけにもいかないので、苦肉の策での貼り紙なのだろう。
よく見かける貼り紙は、だいたいストレートな物言いで堅い。
「座ってご使用ください」とか、
「みんなのトイレです。綺麗に使いましょう」とか、
「いつも綺麗にご使用いただきありがとうございます」
と、先にお礼を伝えて相手の良心に訴える貼り紙もよく見かける。
これらの貼り紙は、ありきたりの文言だからか読んでも頭には入ってくるが正直心には響いてこない。
だがこの貼り紙は、一瞬考えて「あ、そういうことか」とニヤリとほくそ笑む。
そしてまるで見られているかのような不思議と恥ずかしい気持ちになってしまう。
そして汚したら申し訳ない気持ちになる。
大袈裟かもしれないが、そこにはコミュニケーションすらある。
お願いをするには遊び心ある言葉を。
何気ない日常の中にこんな遊び心があると心が豊かになる。
大袈裟かもだけど。
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