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本当はみんな、ヒーローのことが好きじゃない


イノタコNote第十五段
前回は、自由恋愛もモテも実は全然嬉しくないし、それどころかカスな社会を作り上げてしまうという内容だった


今回は
みんなみんな正義のヒーローが好きと言うが、本当にやるべきことをやってるヒーローのことは大嫌いということを語っていこう

……というか
今回の内容は個人的な嘆きというか、グチに近い


前座でも、本題でもキッツイことが書かれているので

ロマンを求めて生きていたい読者は、今すぐに読むのを辞めることをオススメする(特に仮面ライダーが大好きな人物は、読むのなら相当な覚悟をした方がいい)

いつも通り
反論や意義は喜んで受け付ける、単なる誹謗中傷は即座にブロックする


因みに、私は
納豆が苦手である



  • 仮面ライダーが大人の男にも好かれる理由


まず最初に知ってもらいたいのは
日本で有名かつ人気なヒーローについてだ

マンガやアニメなどの作品でも結果的にヒーロー扱いされてるキャラや作品はあるが

ヒーローとして全面的に売り出してる作品で有名なのは『アンパンマン』『ウルトラマン』『仮面ライダー』の3つであろう


いずれも子供っぽいイメージがある作品だが
この中で仮面ライダーだけ観ており、未だに一喜一憂・自分好みの展開じゃないとキレながらも最終的にはアクメをキメて観ている大人の男が多い

これは一体何故なのであろうか?



実を言うと
私はウルトラマンばっかり見ていて、知識としてかじってる程度にしか仮面ライダーを知らないから、本来は偉そうなことを言える立場ではないのだが


仮面ライダーシリーズは
シナリオの内容だけを見ると、ガッチガチの大人向け作品だからである

特に初代仮面ライダーを実際見たことがある人なら解るが、実は言うと初代仮面ライダーの敵組織である『ショッカー』は、歴代の悪役組織の中でも真っ青なレベルの悪事をしでかしている


例)
・秘密裏に行動しているので、目撃者はとにかく殺す

・人々を拉致して劣悪な環境と待遇で強制労働させ、目的が達成したらやはり口封じの為に殺す

・地中で水爆を爆発させようとする、北海道全域を大津波に飲み込ませようとするなどの大量殺戮計画を企てる(どうせライダーに阻止されるけど)

・というか、そもそも軍団の目的が『全人類を怪人化させ傀儡にすること』である(じゃあ何で大量殺戮作戦なんてやるんだ、というツッコミは辞めよう)


メディア展開で
ヘンテコリンな格好をしたザコ戦闘員が色んな媒体で『イー!イー!』言いながら、滑稽な動きをすることでバイキンマンみたいなコミカルなイメージが強いが

実際のショッカーは
現代で放送したら、規制されるレベルのことを次々とやっていたのだ

……寧ろ、よくコミカルな愛されキャラみたいなイメージが後の世に定着したものである


更に言うと、主人公もヒーローと言うよりは
『ショッカー軍団によって改造手術をされて怪人になってしまったが、脳を改造される前に運良く逃げ出せた為にショッカーに反乱・復讐をしている一般人』の物語であり

バッタ(イナゴ)がモチーフなのも
悪をイメージしたデザインで、他にもガイコツなどの草案の中から選ばれたものである

バイクに乗るのも
当時大問題になっていた暴走族をモチーフにしたからだ(初代の一号は変身する為にバイクで走って、風を浴びる必要があった)

更には
『正義の味方』とは称されずに、『人間の自由の為に戦う』とナレーターに紹介されている


その自由というものが
聞こえは美しいものの、実態がどれだけカスなのかは私のNoteを読んできた人なら解るだろう(だからといって、ショッカーが良いヤツ等という訳ではないが)


仮面ライダーは
正義のヒーローではなく、良くも悪くも人間の欲求の戦士なのである


とは言え
ただ大人の男が憧れるダークなSFをやってるだけでは、コンテンツは長続きしない

当時娯楽の最先端であり王者であったテレビ番組、それも子供達が大ハマりした特撮番組でやる以上、子供達に向けた関連商品(変身ベルト)などを紹介・売り捌くことはどうしても避けられない


結果としては
ダーティな大人向け作品だった筈の仮面ライダーは子供達にもバカ受け・大成功し、仮面ライダーシリーズは確立した

その後の作品達も
いかに子供達に関連商品を買ってもらうかが、シナリオの面白さとは関係なく成功・失敗の判断の線引きとなる

だって、いくら面白くても
使った予算を上回った売り上げが出なけりゃ、次のシリーズはまともに作れないし、社員に給料を払えないからである


なので
現代の仮面ライダーでは、そのほとんどがシリアスでダークな作風であり続けるも『シャバドビタッチ・ヘンシーン!!』や『タ・ト・バ!!タトバ、タトバ!!』などの訳の分からんダッセェ言葉を変身ベルトが喋ったり

ライダーのモチーフが果物になったり

ライダーの顔にカタカナで『カメンライダー』と、足に『キック』と、武器に『ケン』だの『ジュウ』だの書かれていたり

信号機の斧が『マッテローヨ!イッテイーヨ!!』と叫ぶだの

子供に親近感が湧きやすい、大人向け作品にしてはどう考えてもクソダサいオモチャを売り続けなければならなくなったのである


作風がダークなままでも問題ないのは
オモチャを欲しがる層は、劇中に出てくる登場人物が何について話し、何をしているかが全く理解出来ず

でも
派手な特撮プロレスシーンに移れば、大喜びで観る幼稚園児が非常に多いからである


なので
コンテンツ維持の為の売り上げだけを考えれば、実はシナリオシーンを全部とっぱらって戦闘シーンだけを放映するたった数分の番組にしても何ら問題ない

コンテンツを支えてくれる幼稚園児達は
アンパンマンに出てくるような親近感のあるダセェオモチャと、ド派手な特撮戦闘シーンしか観てくれないからだ


しかも
小学生に上がるとシナリオが大人向けと理解するようになっても、周囲のクラスメートから『ニチアサ作品とかww赤ちゃんかよwwジャンプ読めよwww』とからかわれるのを嫌がり、ほとんどの子供は仮面ライダーですら卒業していく(それでもアンパンマンとウルトラマンに比べると卒業者は少ないが)

ガチの幼子でないと
それほど売り上げに貢献してくれないので、余計にオモチャはダサくした方が合理的になっていく


よって
仮面ライダーは『作風は大人向けだけどニチアサという子供向け番組の放送枠に座り、アンパンマンに出てくるかの様なオモチャを紹介して売り込む』という訳の分からん立ち位置を続けているのだ


これにより
ニチアサ枠なのに、大人の男達もかぶりついて視聴する

内容が自分好みなのでダサいオモチャを気にせずに楽しむ者、寧ろダサい音声と見た目をネタとして昇華して楽しむ者も居れば

逆に
『子供向けのオモチャなんか売るな!!仮面ライダーは俺達大人の男の為の作品だぞ!!』とキレながらも観続けて、結局最終回辺りで自分好みの演出と展開が観れてアクメをキメるチンパンジー達も居るのである


因みに
仮面ライダーから子供向け要素を取っ払って、代わりに性欲の概念を加えることでより人間の煩悩を描写した作品が

かの有名な
『チェンソーマン』である



  • 逆に好かれないウルトラマン


しかし
もう一つの有名な特撮ヒーローであるウルトラマンは、余程の特撮好きでもない限り仮面ライダーと違って観ない大人の男が多い

理由としては
毎週かかさず50話放送、それも最終回から翌週になればすぐに次の作品が始まってしまうニチアサだと、その分の巨大特撮に必要なミニチュアや怪獣のスーツを用意していると破産してしまうので

ニチアサ枠で放送出来ずに
「え?ウルトラマンって、今の時代でも放送してたの?」と存在自体を知られていないというのも要因の1つだが


そもそも
内容やイメージが子供向けであり、大人の男達からはつまらなそうと評価されがちなことが大きい

一体、何処が違うのか?


実を言うと
仮面ライダーもウルトラマンも作品の基礎を完璧に行っている番組は、アンパンマンが既に行っている

『みんなから信頼される品行方正なアンパンマンが』+『意味もなく悪いことをするバイキンマンを暴力で撃退する』

まさに
ヒーローものの基本中の基本であり、子供達がヒーローものとして入門するのはアンパンマンであるケースが非常に高い

https://note.com/boa_octopus/n/n648361e9d8e1?sub_rt=share_b

しかし
子供達にも『もっと沢山観たい』、『他のも観たい』、『もう飽きた』という概念はあり、いずれアンパンマンだけでは満足出来なくなっていく

そこで
次に観てくれる作品が、仮面ライダーとウルトラマンになる

仮面ライダーとウルトラマンは
それぞれ『敢えてアンパンマンから少し要素を変え、アンパンマンでは出来ない面白さ』を出している


仮面ライダーの場合は
『敵キャラをバイキンマンから、超極悪で尋常じゃない被害を出し、人間とは絶対に共存出来ず、コミカルさなど一切ないキャラ』に変更することである

これにより
ライダーに変身する主人公やライバルを品行方正なヒーローから、ニート・闇医者・超傲慢な御曹司などの『好き勝手生きてるゴミカス社会不適合者』にすることが可能になった

…………これだけだと、訳分かんねぇな

順番に説明していくと
まず、製作陣は男のロマンと感情のままに生きてる男キャラを出したい

何故なら世の男達から憧れの的となるので当然人気が出るし、作ってる側も楽しいからだ


しかし
好き勝手生きるようにすればする程、どうしても社会不適合者のキャラになってしまい、そんなヤツがヒーローなぞ出来る訳がなくなってしまう

そこで
そんな社会不適合者達よりも、遥かに人類に害を与えてくるヤバい怪物達の存在が重要になる

それらを駆除する為に戦ってくれるなら、力を持っただけの好き勝手生きてるカス共は『一応ヒーロー』になることが出来る


更に言えば
怪物によって幼少期に家族を殺されたなどの『可哀想なエピソード』を入れることで

『じゃあ、復讐鬼の社会不適合になっても仕方ないよね?』と同情され、より人気が出るのだ


コレに比べて、ウルトラマンは逆である

敵キャラをバイキンマンから別の悪役に変えるところは同じだが

『悪意は無いけど悪事をしないと生きられない普通の生物だったり、同情してしまう悪堕ちした悲しき悪役』が珍しく出てくる(全員ではなく、バイキンマンみたいなコミカルな悪者や、仮面ライダーに出てくるガチクソなども様々なヤツが居るが)

そんな悪役に対して
ヒーローは品行方正で優しいままだが、治安を守る為なら敢えて温情を我慢して容赦なく殺すのが、ウルトラマンのコンセプトである

宇宙で遭難事故に遭うも、国の保身の為に存在を揉み消され、捜索チームを派遣されなかった地球人の宇宙飛行士ジャミラは水のない星で怪獣化し、憎しみに身を任せて無関係な地球人達を殺していく
いくら理不尽な目に遭った被害者といえど、その正体が地球人といえど、他の人間達を殺していい理由にはならない

初代ウルトラマンは弱点と化した水をジャミラに浴びせることで殺し、治安を守った



仲間の水牛達が全員死んでしまい、たった一頭だけ遺されて怪獣化したオクスター 仲間達の遺骨を守りたいだけの悪意なき存在だったが、過剰防衛で次々と人間を殺していく
放っておくと危険極まりない為、防衛チームのMATとウルトラマンジャック(帰ってきたウルトラマン)はオクスターを殺さねばならなかった


ウルトラマンは
治安を守る為にリアリストにならねばならないし、危害を加えない怪獣や宇宙人はむしろ守らねばならないし、守るべき地球人の市民が怪獣や宇宙人より悪事を働くケースが多々ある

『バイキンマンの様な雑に殴って気持ちよく解決出来るような都合のいい悪者ではなく、現実味のある外敵を相手に、品行方正なヒーローはどう対処しなければならないか』という重いテーマをよく行っている


そう
ウルトラマンは仮面ライダーとは真逆で

『男のロマンと復讐心と欲望のままに生きてはいけないし、気持ちよく暴力を払ってはいけないし、逆に同情して殺したくない相手でも殺さねばならないなら殺す、なのに子供向けで明るいイメージ』という、大人の男達から顰蹙を買う要素だらけの作品なのである

(ゴミカスなライバルキャラに同情して生かしたウルトラマンオーブや、重いテーマを雑に解決させる+ラスボスがテーマとはまるで関連性のない単なるドクズだったウルトラマンZみたいな

ウルトラマンらしさをかなぐり捨てて、仮面ライダーみたいなことしてる作品も一応あるが)


様々なコンテンツで協力することのある仮面ライダーとウルトラマンだが

よく考えると
哀しき復讐鬼となって、治安維持ではなく自分の欲望のままに戦ってる仮面ライダー達は、ウルトラマンの殺処分対象に当たるケースが多い


ウルトラマンと仮面ライダーで
『どっちがヒーローとして真っ当な仕事をしているか?』と問われたら、明らかにウルトラマンである

むしろ
仮面ライダーは怪人達のお陰でドクズに生きることが許されてるし、怪人達のお陰でヒーローとしても讃えられているとも言える


  • 人間は、簡単に仮面ライダーになる

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