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カスタマーハラスメントの客

平井デジタル相の話。アプリ開発をめぐるNECとの交渉に驚きました。あの発言は分かりやすいカスハラ(カスタマーハラスメント)です。「徹底的に干す」「脅しといて」。まともな社会生活を営む人の言葉とは思えない。それで73億円だった契約は38億円に圧縮されたといいます。確かにアプリ開発に73億円は掛け過ぎだけれど(38億円でもまだ掛け過ぎだと思うけれど)、NECが泣き寝入りしたであろうことは想像に難くありません。森喜朗元オリンピック委員会会長の女性蔑視・セクハラ発言は世間から猛バッシングを受けました。今回の発言も同罪だと思います。それでも森氏に比べて大きな批判になっていないのは、働いている多くのひとが「世の中、そんなものだよ」と、どこかで諦めているからだろうか。

三谷幸喜さんのドラマに『王様のレストラン』があります。第一話で態度の悪い客をあしらうシーンがあるので紹介しましょう。若い女性を連れたギラギラした中年がソムリエと口論をしています。「シャンベルタンを持ってこい」「しかしこの料理にはシャトー・ラグランジュのほうが良いのでは」「お前らの魂胆はわかっている。そうやって高いものを売りつけるつもりだろう。いいからシャンベルタンを持ってこい」。それを聞いていた千石(元レストランのギャルソン。この日は死去したオーナーの息子・禄郎に呼び出されて、隣の席で食事をしていた)が見かね、現役のギャルソンに扮して仲裁にはいります。

「お客様、当方に失礼があったならお詫びします」「集まってくるな!」「しかし、私の空耳でなければ、お客様、たしか当店のソムリエに対して“オマエ”と」「なんだ、お前は!」「お前にオマエ呼ばわりされる筋合いはございません。お引き取りください。私どもはオマエさまの家来ではございません」「客をなんだと思ってるんだ!」「私は先輩のギャルソンに“お客様は王様である”と教えられました。しかし先輩は言いました。“王様のなかには首をはねられた奴も大勢いる”と。またのご来店の無いことを心より願っております」態度の悪い客は追い出されました。実に痛快なやりとりでした。

こういう客は必ずいます。たいていは客であることを理由に自分勝手な言い分を繰り返す。そして何をやっても無駄で、次から次に「お客の声」という名の不満をぶつけてきます。それを解決しようと、どれだけ尽くしても無駄です。だいたい彼らは感謝を知らない。そして感謝のない客を満足させることは出来ない。だからビジネスでは「良い客」を選ぶことが大事なのです。そして自分が客の時は、万が一にも「首をはねられる王様」にならないように矜持を正すわけです。

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消費財・FMCGのブランド戦略、マーケティングを得意としております。 市場での弱者が戦略によって強者に打ち勝つ。その痛快さを世の中とわかちあうためにこの仕事をしています。 会社、製品サービス、パーソナルに限らず、 世の中のトピックスをブランド戦略の視点で読み解きます。