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ブランド&マーケティングの教科書コラム

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ビジネスパーソンが知っておきたいブランドやマーケティングの一般知識、実務的な専門知識を月・水・金曜日にアップします。
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2024年1月の記事一覧

ブランド投資の対象になるもの

魅力的価値という言葉をご存じでしょうか?拙著「The Concept/一生使えるコンセプトの教科書(水野与志朗著/KDP出版)」で紹介したものです。ブランド投資をするコンセプトは魅力的価値を備えてなければなりません。そこらへんにあるようなアイデアやコンセプトに投資しても、そもそもブランドになどなりません。魅力的価値を簡単に説明すると「これまでも不便ではなかったが、これが出てきて生活が変わった。いままでのものが古く見える。こんな便利なものを知ってしまったら、もう昔には戻れない」

インサイト/顧客の価値観

今回はインサイトの話を少しばかりしましょう。ブランドが成功し繁栄しつづけるには製品ありきの発想や、言いたいことを一方的に言う売り手主体のコミュニケーションを戒める必要があります。そして顧客の価値観を大切にしたマーケティングを行うことが重要です。なにをいまさらと思うかもしれませんが、出来ていない会社は多いと思います。売り手主体のコミュニケーションは個人的な状況を考えるとわかりやすい。ひとは自分の価値観に基づいて相手に話しかけるものですが、相手の価値観がこちらと違っていれば、それ

ブランドの持ち味・らしさ

今回はブランドについてあらためて述べましょう。ブランドは城壁に似ていると思います。競合と明確に差別化し、守りを固め、かつ城内にいる顧客(既存顧客)に安心して使い続けてもらうものです。強いブランドとは厚みのある高い壁に喩えられるでしょう。イメージされるのは顧客のマインドに独自性や特徴が際立っている状態。これが堂々とした、文字通り「際立った城壁」であればまずは安泰です。逆にもし城壁がなければ、またはちっぽけな壁なら、易々と競合に攻め込まれ、顧客を奪われる。どのような事業であっても

事業計画、マーケティング計画のコツ

いまの時期、今年の事業計画やマーケティング計画を考えるひとも多いと思います。会社によって置かれている状況は様々でしょうが、この段階での共通の課題は「筋のよい戦略を見つけること」です。そこでマーケティングの計画では実際にどのようなことに注意したらよいか、そのコツを順番に紹介しましょう。これはどんな事業にも当てはまります。B2BもB2Cも同じです。では行きましょう。まずは市場を俯瞰するステージです。最初に思い浮かぶのは「物事をギリギリまで単純化する」です。データでも情報でも「目に