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地域通貨の導入方法に関するご提案:整えるべき制度と狙うべき効果#3-5

ブルー・マーリン・パートナーズ株式会社は、人々のあたらしい暮らしを支える産業と社会システムを創造する事業創造ファームです。本マガジンでは、「つながりと物語をはぐくむ地域のつくりかた」に焦点を当て、知見をお届けいたします。

課題解決のためのご提案

前回紹介した地域通貨における2 点の課題を解決する方法として私たちが提案したいのは、QRコードと地価に連動した法定通貨との交換価格決定の仕組み、および バスや電車の割引利用などの提供によって卸効果を狙い、そこから運営費を賄う形式である。

地価に連動して法定通貨との交換価格を決定する仕組みを導入することで、通貨を使うほどに地域が潤 い、地域の価値が上がることで、地価も上がるサイクルが出来上がる。「法定通貨から地域通貨に変えるだ けで、地域がよくなる」ことを通して、地域通貨を活用するインセンティブを設計するのである。 「卸効果」による手法とは、各種航空会社が発行しているマイレージのしくみに活用されているものである。 飛行機は、1 回あたりの渡航において企業が負担する費用は大きいが、乗員が 100 名であろうと 200 名で あろうと大きくは変化がない。また、消費者の価値認知は非日常性が高く、ブランド価値があるため、消費 者側の支払う単価が原価に左右されずに高く設定できる。

このように、限界費用が小さく、非日常なモノや サービスを地域通貨の発行母体があらかじめ仕入れた上で利用者を増やし該当のサービスやモノの利用 を促すことで、その差額を利益とすることが可能である。地域通貨を発行する際には、そのアルゴリズム設 計やアプリケーションなどよりも、その地域通貨において独自に使えるサービスやモノを用意し、目玉のサ ービスやモノにおいて利益が出るような設計をすることが肝要なのである。

また、地域通貨は大きく分けると 3 つの用途が存在する。円との短期間での換金を前提とするペイメント系と、ブロックチェーンを基盤にコインを構築し ICO することで円との換金性を担保しながらも原則はコイン内 での交流を前提とする独自通貨系、そして円との換金性を持たない社会関係資本などその他の資本を強化することに特化した型の 3 つである。

(次回へ続く)


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