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[NFL]『'93 NFL TV観戦ガイド』を読む(第1回)

1993年に日本テレビから出版された『'93 NFL TV観戦ガイド』のチーム紹介にある「SUPER PLAYERS」を紹介していこうと思います。
まずAFCから。

AFC東地区

当時のAFC東は5チーム。

マイアミ・ドルフィンズ

紹介されている「SUPER PLAYERS」は
ダン・マリーノ、キース・ジャクソン、ジョン・オファドール
の3人。
いきなりきました。ダン・マリーノ。若いファンの方も名前は知ってるはず。
マイアミという街のイメージ、ジャージのさわやかな色、そしてマリーノという名前。水しぶきのように八方に飛び散るパス。
なんという調和でしょうか。

キース・ジャクソンはタイトエンドのレシービング能力が今ほど重要視されてない時代のレシービングTEで、マリーノとコンビだった1993年から1994年くらいがキャリアの最盛期のはずです。
ほかにピート・ストヤノヴィッチとかもいたよね。チーフスに来る前はマイアミにいたんですよ。

バッファロー・ビルズ

紹介されてるのは
ブルース・スミス、ジム・ケリー、サーマン・トーマス
の3人。
当時のビルズは最強軍団で、確かスーパーボウル出場の連続記録を持ってたはず。実況の増田さんも「だれがビルズを止めるのか!?注目のシーズン」みたいなことを言ってた記憶があります。
紹介されてる3人もやばいですね。
でもこの3人、現代(2024年現在)では実績の割にとびぬけた評価を受けてないような気がします。同じく強かったNFCのダラスとかナイナーズとかの陰に隠れてしまってるイメージなんでしょうか。

あと当時のビルズと言えばノーハドルでランアンドシュートでガンガンいく、今の言葉で言えば中二心をくすぐるオフェンスだったのが印象に残ってます。
最強軍団を好きって言うとわかってないみたいな扱いをされるのがイヤで、友達とかには「ビルズは詫びさびがないよね」みたいなことを言うみたいな。でも実は好きみたいな。

ニューヨーク・ジェッツ

ジョニー・ジョンソン、ローニー・ロット、ブーマー・アサイアソン
の3人が紹介。
なんかただの思い出話ばっかりになりそうなので、本に書いてあることを読みます。
ジョニー・ジョンソンは大学時代に素行不良で退部処分になったものの、ドラフト全体7位でプロ入り。ルーキーイヤーにはプロボウルにも選ばれたRBってことです。もともとカーディナルズにいたんですね。
ロニー・ロットもブーマー・アサイアソンもジェッツというよりナイナーズだったりベンガルズだったりのイメージが強いです。
ベテランの力を借りてチーム再建する時期だったのかもしれません。

インディアナポリス・コルツ

1993年、コルツは東地区にいました。
「SUPER PLAYERS」には、
ジェフ・ジョージ、スティーブ・エムトマン、クラレンス・バーダン
が掲載されています。
エムトマンはこの前年1992年のドラフト全体1位のディフェンスエンド。その年に9試合に出場し、3サックを決めました。
この書籍には「インパクトのあるデビューイヤーだった」「わずか9試合の出場だったが今後に十分期待できる」とありますが、こののち彼がケガに悩まされ、不完全燃焼のまま引退したことはオールドファンならご存じでしょう。悲運のスタープレーヤーでした。

クラレンス・バーダンという選手は記憶にありませんが、リターナーとして活躍したWRとの記述があります。ウィキペディアで調べたところ、USFL、CFLで活躍したのちコルツ入りし、6年もの間活躍したようです。

ニューイングランド・ペイトリオッツ

史上最強軍団のイメージがあるペイトリオッツですが、1993年時点ではいわゆるお荷物チームのイメージでした。毎年きっちり10敗以上する印象です。この年もそうだったんじゃないかしら?
「SUPER PLAYERS」に掲載されているのは
レオナード・ラッセル、ドリュー・ブレッドソー、そしてHCのビル・パーセルズ
ブレッドソーはこの年のドラフト全体1位。のちにチームを久々のスーパーボウルに導くことになります。

3人紹介できる枠があるのにうちひとりが入りたての新人、ひとりがHCなんて、暗黒期のチームっぽいですね。
ちなみにのちのGOATブレイディを擁してスーパーボウル初制覇を飾るのはこれから8年後のこと。

AFC中地区

今はなくなってしまったAFC中地区。今の北地区の前身みたいなイメージです。計4チーム。

ヒューストン・オイラーズ

今のテネシー・タイタンズです。とにかくかっこよくてわたしの周りでは人気がありましたね。
掲載されているのは
ウィルバー・マーシャル、ヘイウッド・ジェフリーズ、そしてご存じウォーレン・ムーン
当時のオイラーズと言えばカーティス・ダンカンだとか、ウェブスター・スローターだとかいうキレッキレのWR軍団をムーンが操るハイパーオフェンスがウリでしたが、ジェフリーズはWR軍団の代表としてここに掲載されてるんでしょうね。紹介欄には「来日時に一生懸命豊田アナを口説いていた」とか書かれてます。豊田アナって豊田順子アナのことですよね。レジェンド対レジェンドって感じです。

で、ウォーレン・ムーン。
まず名前がいいですよね。いかにもスペクタクルなパッシングゲームを展開しそうな名前だ。背番号1ってのもいい。まさにカリスマ。この当時ですでに40歳のはず。これが最後のシーズンになるのかなーと思いきや、どっこい、2000年まで現役を続けることになります。まさにカリスマ。
ディフェンスからはウィルバー・マーシャルが紹介されていますが、移籍1年目とのこと。DCに連れられてワシントンから移籍してきたようです。

でもオイラーズのディフェンスの顔と言えばレイ・チルドレスって印象が強いですね。当時雑誌なんかで紹介されるチルドレスはまさにアメリカン・ナイスダディって感じで、南部のチームのディフェンスのかなめとなる男の中の男ってイメージを勝手に抱いてました。
オイラーズのセクションだけ長げえな。

ピッツバーグ・スティーラーズ

いつも強いピッツバーグですが、当時も強かったです。
ニール・オドンネル、ロド・ウッドソン、バリー・フォスター
が紹介されてます。ね、強そうでしょ?
オドンネルがブレイクするのはもう少し先の話のはずですが、当時すでに注目されてたみたいで、本にも「名実ともにエースとなった」と書かれてます。
一方のウッドソンとフォスターは一番脂がのってた時期ですよね。ふたりとも『マッデン』のレジェンドチームにいるので知ってる若いファンも多いはず。
ロースターリストの中にはヤンシー・シグペンの名前も見えます。彼はブレイク寸前ってとこでしょうね。

クリーブランド・ブラウンズ

実はこのブラウンズは数年後にボルティモアに移転していまのレイヴェンズになります。その後パテント的なものをクリーブランドの人たちが買い戻し、改めて歴史を継いでいまのブラウンズになるんです。
掲載されているのは
クレイ・マシューズ、エリック・メトカーフ、バーニー・コーザー
の3人。
クレイ・マシューズは最近までグリーンベイにいたクレイ・マシューズのお父さんですね。同じくイケメンのLBです。
バーニー・コーザーはこの年移籍してきたヴィニー・テスタバーディにQB1の座を譲ることになります。紹介文にもそう書いてますね。
で、メトカーフ。RBなのですが、大学時代に走り幅跳びで世界8位のランカーだったことが紹介されています。いつの時代もNFLにはいかついアスリートがいますね。メトカーフって名前の選手はみんなこんな感じなのかしら。

シンシナティ・ベンガルズ

暗黒時代のベンガルズです。ちょっと前にスーパーボウルに出てるはずなのに。。。
ハロルド・グリーン、ジェームズ・フランシス、デイビッド・クリングラー
が紹介されていますが、あんまり印象ないですよね。
フランシスってどんな選手だろうと思って調べてみたら、1巡指名選手で10年間リーグにいたみたいですね。
ベンガルズと言えばスーパーファミコンの『プロフットボール'93』でも弱いチーム扱いされてて、いつもCPU対戦相手に選んでました。勝ちやすいから。

AFC西地区

AFC西地区。今でこそチーフスのテリトリーってイメージですが、当時は主役・デンバー、敵役・レイダーズ、脇役・チーフスとチャージャーズ、見習い・シアトルみたいなイメージでした。もちろん個人的な勝手なイメージです。

カンザスシティ・チーフス

話すと長くなるので淡白に行きます。
ショッテンハイマー時代のチーフス、
ジョー・モンタナ、ハービー・ウイリアムス、デリック・トーマス
が紹介されています。だよな。
モンタナはこの年から2年間だけチーフスに在籍するのですが、その2年間に出場するゲームが日本で放送されまくって、当時高校生のわたしをチーフスファンにしていくのでした。
デリック・トーマスは当時5年目。のちに自動車事故で命を落とすことになるのですが、この時点ですでに「80年代を代表するOLB」「ローレンス・テイラーの後継者はDT(デリック・トーマスの愛称)以外いない」とまで書かれています。史上最強のEDGEは?という問いに真っ先に名前が挙がる選手ですよね。
ちなみにこの年のプレースキッカーはニック・ローワリー。名手です。

サンディエゴ・チャージャーズ

青色が濃かった時代のチャージャーズ。
スタン・ハンフリー、マリオン・バッツ、ジュニア・セイオウ
が紹介されてます。
ハンフリーズはのちにチャージャーズを初のスーパーボウル出場に導きますが、この時点では実力が完全に認められていないのか「落ち着いていて思ったより肩も強い」という記述にとどまっています。
ジュニア・セイオウは当時はまだその輝かしいキャリアの前半。やはり「次代を担うLB」という記述です。
当時のNFLでは、というか世間全般で脳震盪について軽く考えられており、ハンフリーズもセイオウも度重なる脳震盪に見舞われた結果、ボロボロになりながらキャリアを(セイオウは人生をも)終えることになりました。
最近のNFLでも脳震盪に関する話題が後を絶ちませんが、先人の歩みを教訓としていきたいですね。

デンバー・ブロンコズ

チャージャーズとは対照的に青色が薄かった時代のブロンコズ。
紹介されているのは
ロド・バーンスタイン、カール・メクレンバーグ、ジョン・エルウェイ
の3人。
まあこの時代のデンバーといえばエルウェイですよね。テレビ中継でもエルウェイひとりのチームみたいな言われ方でした。
増田さんや故・後藤完夫さんと一緒に放送席に座ることもあった明石家さんまさんも確かエルウェイ率いるデンバーをひいきにしてたんじゃなかったかなーと記憶してます。
この本でも「エルウェイもそろそろキャリア終盤なので・・・」的な書かれ方をしてます。
当時のエルウェイは「スーパーボウルに何度か出てるけど勝てないQB」「このままスーパーボウル勝てずに現役を終えるのかもな」という扱いでした。
いまエルウェイはブロンコズの経営陣のひとり(ですよね?)。マイルハイで行われる試合ではたまに観戦する姿が抜かれます。チーフスを観戦するテイラー・スウィフトのように。

ロスアンジェルス・レイダーズ

LA時代のレイダーズです。
ハウイ・ロング、ジェフ・ホステトラー、ガストン・グリーン
が紹介されてます。
ハウイー・ロングはこの時点ですでにキャリア最終盤のはずです。コメンテーターのイメージが強いですが、当然彼にも現役時代があったわけです。
ホステトラーもわたしがNFLに興味を持ち始めたときにすでにキャリアピークを過ぎていて、「古豪」のイメージがあります。ジャイアンツでスーパーボウルMVPになったあと、レギュラーの座を失い、再起をかけてLAにやってきた、みたいなことなんでしょうかね。

レイダーズは当時日本でグッズのファッション性が注目された記憶があります。レイダーズのマークのキャップを被った人とかたくさんいました。
あと当時からタージン閣下のお気に入りチームでした。

シアトル・シーホークス

この時点でタンパベイと並びリーグで最も歴史の浅いチーム。
リック・マイアー、クリス・ウォーレン、コルテス・ケネディ
が紹介。
若いチームということもあって、日本ではあまり露出していなかった印象があります。
ただリック・マイアーの名前はなぜか強烈に覚えてるんですよね。ノートルダム出身とあってかモンタナの再来かという扱いをされたり、彼はホンモノか?それともラッキーボーイか?という記事が書かれたり。。。
ドラフト全体2位でQBに苦しむチームに指名されすぐエースになり、ルーキーイヤーにブレイクを見せたもののキャリア中盤からはその実力は鳴りを潜め、チームを転々とする・・・カーソン・ウェンツとイメージがかぶるんですよね。

続きはまた今度!

もっと淡々とやろうと思っていたのにダラダラ雑談的なことばかり書いてしまいました。
次回、NFC編もやりますが、またこんな感じになると思います。
お楽しみに!

※第0回目、第2回目はこちらです。


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