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[NFL]スーパーボウルは日本シリーズじゃなくて紅白歌合戦だ!

アメリカンフットボールの人気が高くない日本では米国におけるスーパーボウルの盛り上がりについて直感的に理解することが難しいという人が多いようです。
こんなことを偉そうに言ってるわたし自身、インターネットが発達するまで「規模の大きなスポーツイベント」くらいの認識しかありませんでしたので、スポーツやアメリカンフットボールに関心の薄い人たちにとってはなおさら理解が難しいでしょう。

そういうときによく使われるたとえが「スーパーボウルは米国で一番人気があるプロスポーツの優勝決定戦。つまり日本で言えば日本シリーズ」という説明・・・

いや待て待て待て!!!!!!

おまえテレビでスーパーボウル見たことある????日本シリーズ見たことある!???
ぜんぜん違うよね?ぜんぜん違うってわかるよね!!!?

日本シリーズが日本においてきわめて人気の高いスポーツコンテンツだと理解したうえで、米国におけるスーパーボウルがそれにとどまらないことを主張したいのです。

スーパーボウルの時期に米国に行ってみると、1~2週間前からあらゆるメディアでそれなり以上の尺を割いてスーパーボウルの話題が取り扱われていることがわかります。
月曜日くらいになると「え?スーパーボウルって今日だっけ?」と勘違いするくらい事前番組による入念な紹介が行われたりします。
日本ではかなり大きなスポーツイベントでも知らないうちに行われていて、知らないうちに終わっていた、ということがあり得ますが、スーパーボウルではそのようなことは原則ないそうです。

事前でこれですから当日はもっとすごい。
朝からスーパーボウルを放送するテレビ局以外の局でもスーパーボウル特集が繰り返し行われ、それが晩まで続きます。
そしてやっと放送が始まったかと思えば、試合に先立ってつぎのようなのが行われるのです

  • シーズンの振り返り

  • 開催される街の歴史や文化の紹介

  • 過去の関係者の表彰

  • 活躍した選手の紹介

  • 選手紹介の最後を飾るのは社会貢献にもっとも寄与した選手(NFL・マン・オブ・ザ・イヤー)

  • 大きな災害や事件などに際し、人助けに特に寄与した人たちの表彰

  • この一年間で功績を残した事前活動家や人助けを行った医師、研究者などの紹介

  • 有名アーティストによるアメリカ・ザ・ビューティフル

  • ハリウッドスターとかのナレーションによる出場チームの紹介

  • 有名アーティストによる国歌

  • 社会貢献に寄与した市井の人物やその家族の紹介

これが延々と続くのです。ドゥエイン・ジョンソンが「イフユースメェェェェェル!!!!」と出てきたり、ケビン・コスナーwがビデオのナレーションをしてたりします。

日本シリーズや(日本シリーズ以上に多く視聴されるスポーツイベントらしい)箱根駅伝の中継とは質的に違うことがわかります。

で、ここからが最もお伝えしたいことなのですが、日本にもこういうイベント、こういうTVプログラムがありますよね???

そう、紅白歌合戦です。

日本にお住まいの方なら紅白歌合戦がいち音楽番組とは質的に違うことがご理解いただけるでしょう。

70歳を超えるわたしの両親はその日になると毎年「出てるやつがひとりふたりしかわからん」と言いながら紅白歌合戦を見ています。テレ東見りゃ知ってるアーティストがたくさん出ているのに、です。
そんなわたしの両親は紅白歌合戦に出ているメンバーとほぼおなじメンバーが顔をそろえるCDTVライブライブやMステスーパーライブは決して見ようとはしません。存在も知らないと思います。
ここには「国民的娯楽」と「規模の大きな音楽番組」の質的な違いがあります。

とどのつまりスーパーボウルってのはそういう催しなのです。

1年を振り返り、音楽、フットボールなどにとどまらず社会全体や人々に思いをはせる、そういう催しです。
日本シリーズのような「規模の大きなスポーツイベント」とは質的に違うと思うのです。

米国に留学してた(スポーツにあまり関心のない)後輩がこんなことを言ってました。
「米国人にとってフットボールは関心があるとかないとかそういう話題の対象ではない。米国で暮らしてみて、フットボールは米国人にとってその存在を無視できないものであることがわかった。日本で言うコンビニに似てる」

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