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【ふみ乃音楽語り】 エリオット・スミスの好きな曲と、彼について思うこと

こんばんは。女子高生サイボーグVTuberのブルーウェットふみ乃(@BLVEWHET)です。

こういう動画を作りました。いわゆる歌ってみた動画なんですが、訳詞を自分でしました。英語をそのまま訳してもあんまりそれっぽくならないという訳詞あるあるのため多々意訳はしているんですが、聴いてみてくださるとうれしいです。訳詞の全体はYouTubeの概要欄を見てね。

なぜいまエリオット・スミスかというと、彼のアルバム「Figure 8」のリリース20周年ということで、女性シンガーソングライターのフィービー・ブリジャーズ(Phoebe Bridgers)が同作を語っている記事が公開されていたからです。

わたしもDeepL翻訳を傍らに読んだんですけど、彼女がブライト・アイズのコナー・オバーストに初めて会ったときにエリオットの「Whatever (Folk Song in C)」を演奏したらコナーはその曲を知らなかったとか、「Figure 8」のジャケットの壁に近くに住んでたとか、いろいろ知れて面白いですよ。

「Figure 8」収録の「Son of Sam」。実在の殺人犯をモチーフにした曲で、フィービーも大好きだそうです。

エリオット・スミス(Elliott Smith)はアメリカのシンガーソングライターで、1990年代後半~2000年代前半というオルタナティブロック華やかりし頃に活動していた人です。冒頭でわたしもカバーした「Miss Misery」が映画「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」(未見です…)の挿入歌として書き下ろされ、1998年のアカデミー賞歌曲賞にノミネートされたことで、エリオットは一躍有名になりました。

アカデミー賞授賞式にも登場してパフォーマンスを披露。エリオットは「すごくシュールな体験だった」と言っていたそうです。

その後、ドラッグ中毒と鬱に悩まされながらも音楽活動を続け、前述の「Figure 8」に続く新作を制作中だった2003年10月、自宅のバスルームで、胸をナイフで突き刺されるという悲劇的な死を迎えます。自殺または他殺のどちらだったのかは、いまだに結論が出ていません。享年34歳。

死去する約1ヶ月前のライブの様子。ドラッグ中毒を克服して、ボロボロだったライブのクオリティも戻ってきた矢先に起きた悲劇でした。

わたしがエリオットを好きになったのは、昔、シンガーソングライター好きの同級生に教えてもらったのがきっかけです。最初に好きになった曲はこれかな。

「Elliott Smith」収録の「Coming Up Roses」。チープなオルガンの音と、少しだけ疾走感のある感じがとても心地よいのです。

音源ももちろんなんですが、この動画を観て一気に大好きになりました。エリオットは弾き語りのライブがとにかくいいんです。

「XO」収録の「Independence Day」のライブ演奏。最初のチューニングから退席まですべてが素晴らしい……。

完全に佇まいが”こっち側”感あるんですよね……そこから放たれる宝石のような歌! あと、やっぱりギターが圧倒的です。いやミュージシャンだから当たり前なんですけど、コードを弾きながらメロディを弾いて、歌うという、独奏のレベルが、マジで、偏執的に高い。エリオット自身はボブ・ディランやビートルズの影響を公言してますけど、いや何を練習したらそのテクニック身に付くんですか……。

曲のポップさと暗さの絶妙な塩梅も、彼が愛され続けるひとつの要因でしょう。暗い曲が多い印象のある彼ですが、ごくごく普通のフォークソングっぽい曲もたくさんあって、それが本当に染みるんですね。

ファンの間でも人気が高い「Say Yes」。アルバム「Either/Or」収録。

わたしはあんまりちゃんと追えてないですけど、歌詞も良いんだな。「Say Yes」の歌い出しの「I'm in love with the world through the eyes of a girl(あの子の目から見える世界が好きだった)」とか「Waltz #2 」の最後「I'm never gonna know you now but I'm gonna love you anyhow
(君のことはもうわからないけど、好きでいようと思う)」とか、完全にオタクの心わかってる感ありませんか……エリオット本人はあんまり陰キャ扱いされたくなかったらしいですけど……。

最後に、わたしがいちばんエリオットの曲で聴いているのを載せておきます。カバー曲なんですけどね。

原曲は1970年代に活躍したロックバンド、ビッグ・スター(Big Star)の「Thirteen」。エリオットの死後に未発表曲を集めた「New Moon」というアルバムに収録されています。

本当に優しくて悲しくて、何度聴いてもぽろぽろ涙が溢れてしまいます。夭折してしまったミュージシャンは本当にたくさんいて、神格化されてしまいがちなんですけど、死なないほうがいいに決まってるじゃないですか。もっともっと彼の曲を聴きたかったし、ライブにも行ってみたかったな。

そんな思いがぶわーっとこんがらがって、冒頭の動画に結実した感じです。知らなかった人はぜひ聴いてみてくださいね。以上です。

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