現代における芸術の意義

今放送中のアニメ「アルテ」にも描かれる通り、芸術家というのはかつて夢の職業でミケランジェロやレオナルドにあこがれて絵描きになった者は少なくありませんでした。

当時には写真なんてものは当然なかったので少なくとも肖像画を描くことによって生計をたてられたことを考えると立ち位置的には写真屋さんに近いのかもしれません。でも今の時代、肖像画を書かせるために絵描きを訪れる人なんてほとんどいないでしょう。抽象画だったり現代アートだったり難解でよくわかないものを作る変な人間の職業というイメージが一般化していてい毎日何をしているかぴんと来ないですよね。

歴史に出てくる芸術といえば宗教画や肖像画など何故、どのように何を作るかがはっきりしているものが多く、キュビズムなどが出たあたりで「なにこれ」となるのは私だけではないはずです。

今書いたように昔の芸術家は神の威光を伝えるための手段を提供する人たちであったため、今で顧客の要望に応えて商品を提供するデザイナーのような仕事だったのでしょう。今でも著名な芸術家に注文して家族や友達に合う世に作品を作ってくれと依頼する金持ちだっています。

ただ漠然と今の芸術家が何をするのかというとピンとこない。生産者として何を提供するのか。今の芸術家は挑戦的なものばかり作っている、けしからん。ですが挑戦的なものを作っているということが何を提供すべきかに対するある種の回答でもあります。

挑戦的な作品というのは現状に対する批判でもあり、皮肉でもあり、新たな価値観を与える物でもあります。結局これってどうやねん。作品を通して自己主張するのが今の芸術家のトレンドであり、中にはちょっと人と違う価値観を持ってる感を醸し出せるような製品を作り、芸術性をうたって購入させるというビジネスに直結させて作品を作る芸術家もいます。いわゆるブランド化です。

つまり現代の芸術というのはルネサンス期までの芸術、神を軸として何が正しいかという終着点が決まっていてそこに向かうのとは逆に、そこら中にあるものに疑問を呈して批判をするという哲学チックなものになっています。それに関して専門家があーだこーだ言ってなんかよくわからないうちに値段が吊り上がってとんでもないことになる非日常感などが現代芸術の醍醐味ではないでしょうか。


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