夢 4/8

暗闇の中、ひとり歩いている。きちんと前に進めているのかは分からないけれど、今更引き返すわけにもいかないので、前に進んでいることにする。足首より下が水に浸かっている。足を運ぶたびにぴちゃぴちゃと水音が立つ。

下宿のベッドに座っている。視線を回すと、部屋の至る所に虫が蠢いていることに気づく。小さいカメムシのようなものや、脚の異様に長いものなどが我が物顔で居座っている。下を向くと、自分の両脚に小さな虫が大量にひっついている。トコジラミだ、と思う。叫びながら外に飛び出し、それらを払おうとする。全く取れず、また叫ぶ。

子供用の三輪車に乗った化け物に追いかけられている。子供の頃よく遊んでいた地元の公園のあたりを逃げる。このあたりならよく知った場所だし逃げ切れるな、と思った瞬間景色が切り替わり、知らない街に放り込まれる。化け物の方を振り返る。彼は大型の霊長類に似た姿で、こちらを無表情で見つめている。

女の人と性交している。お互い向き合っているが、相手の顔には靄が掛かっている。身体つきから、あの子ではないなと思う。自分の身体は心と分離して動く。相手は酷く喘いでいる。

暗闇の中、ひとり歩いている。身体の動きが鈍くなり、ようやく気がつく。先程まで足首を舐めていた水面が、肩の高さまで上がってきている。その上昇は続き、まもなく自分の鼻や口も沈めてしまうだろうと考える。もう潮時か、と思う。

そんな夢を見ている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?