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孫としての記憶はいつまでも

今日は祖母の誕生日だ。とは言うものの、祝おうにも随分前に先立たれているのだが。
終盤は介護施設での生活となったとはいえ、90を超えるまで生きてくれた祖母との思い出は今でも色褪せない。この日になると特に鮮明に蘇ってくる。

祖母の家は実家から一駅と極めて近かった為、一人暮らしの様子を見るという意味も込めて、日曜の夕方にいつも訪れては夕飯を共にしていた。両親や兄とは色々あったと聞いているが、私にとっては一緒にいてとても楽しく、実家に戻る際に駄々をこね過ぎて滅多に怒らない父を激怒させてしまったことさえある
家に訪れるだけで無く、時には一緒に外出もした。歩いてすぐに行けるところにJRが通っていた為、電車を見に行く事が多かったのだが、当時の私はこれだけでも大いに喜んだものである。その時の影響か、今でも電車を見ているのは好きだ。思い出深い車両は大体引退してしまったけれども。
なお、当時特に気に入っていたのがタイトル写真の阪和線・羽衣線103系。「青い電車」ぐらいの認識しか無かった頃が大変懐かしい。大学生になってから羽衣線で再会した時はあまりにもはしゃぎ過ぎて、一緒に見に行った友達を困惑させてしまった。

また、祖母は天見温泉南天苑をこよなく愛しており、年に一度連れて行って貰っていた。普段あまり乗る機会の無い南海電車自体がもう新鮮でドキドキしたし、地元ではなかなか見かけないトンボやタマムシに時にはカブトムシを見つけたり、広い大浴場で寛いだりと、幼い私には豪勢過ぎる非日常だった。今でも最高クラスの評価を集める南天苑、いつかもう一度訪れたいものである。

私と兄の部屋には祖母が写った家族写真がある。これからも私と兄を見守っていただきたいものだ。

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