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散髪で悪い流れを霧散しようとした思い出

久々に髪を切ってきた。というか、剃ってきたという方が多分正しい。私は高校二年(気づけばもう10年前)の時に初めて二厘刈りにしてから、ずっと髪を切る時は二厘刈りを続けている。ちなみに二厘刈りとは、ピンと来ない読者様の為に言い換えると、「0.5mm残した坊主頭」である。0.3mmぐらいまで短くすれば一厘刈り、2mmぐらい残せば五厘刈りだ。

高一の時まではここまで髪を短くする事など少しも頭に無かった。というかそもそもあまり自身の髪型にこだわりが無かった。そう言いつつ、「高二になって突然髪型にこだわりが出来た」わけではない。元はというと、嫌な思い出を忘れ去りたいという気持ちで、高二のある日理髪店の店員に「バッサリやってしまってください」と言ったのだ。

嫌な思い出というのはまあベタなもので、当時の彼女(初カノでは無い。初カノは別れはしたがこの時の彼女と比べるのが烏滸がましいぐらいずっと素敵な人だ)に他に好きな男が出来て別れたというだけの話なのだが、浮気の被害者にも関わらずあの時は少しも相手のせいに出来ず、自分を責めまくって苦しくて「いっそ全部忘れてやれ」という感じだった。家族にもクラスメイトにも急にどうしたのかと驚かれたものである。理由については「ちょっとやってみたかった」ぐらいではぐらかしたのだが。

正直なところ、すぐには気持ちは落ち着かなかった。そこそこは引きずった。だがその彼女も私を振って行った先の好きな男に酷い振られ方をして、あまりこういう言い方をしたくないが溜飲が下がったのと、高三にもなると受験の事もあるのとで、髪を短くした効果があるのか無いのかよくわからないまま吹っ切れた
それでも思い切った事をしてみて良かったとは今も思っている。似合っているとよく言われたし、過ごしやすいし、何より二厘刈りの頭を撫でられると物凄く心地が良い。そんなこんなで、今も変わらずこの髪型である。

二厘刈りにして一つ悩ましいと思っているのが、私は昔から好きな異性のタイプに「長い髪」が欠かせないのだが「手入れがとても大変」「夏が暑くて…」と聞いているのもありなかなか積極的にそう言えない事か。何せ自分が手入れの極めて楽で、夏も暑くない(直射日光は少々つらいが)髪型だから、相手にだけそれをお願いするのもおかしいなと思う次第で。

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