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『例のストV挫折した初心者』から見たスト6の話

https://automaton-media.com/articles/newsjp/20220603-205025/

ストリートファイター6のニュースや公式サイトのURLが知り合いから自分宛てに送りつけられてきた

今回も好き勝手所感を述べてみようと思う。

というかもう真っ先にとりあえずスト6で実装されるという簡易入力について言及したい
簡易入力関連は基本的に発売直後の初心者に刺さるシステムとなっている。だから上級者の向けのゲームバランス調整と違って、アップデートで後からどうにかしようとしても手遅れな概念だ。開発者の方もそんなことは重々承知しているだろうから簡易入力に関してはおそらく慎重を期して調整されているに違いない。

・例の簡易入力について

一つずつ見て行こうと思う。まず真っ先にこういう問題に過剰に敏感な筆者がこの画像をみて嫌な予感がした部分は弱中強攻撃ボタンがそれぞれ一種類ずつしか存在していないという点だ。
正直に言うと、ここでちょっとあっ……となってしまった。

ここで同時に真っ先に思いついたのがスマブラのリュウだった。
こちらはボタンのちょい押しと長押しをすることで同じボタンで技を二種類出せる仕様になっているので、もしかすると同じボタンでも普通にボタン押せばパンチ。アシストボタン押しながらでキックになる可能性があるのかなとか、長押しで出る技が違うのかなとも思ったがもしかして本当に3つしか技が出せないのかもしれない



性能が通常版より落ちてるとかないよね?

次に真っ先に反応したのはこちらの画像の必殺技の弱中強の打ち分けが無いという部分だった。
一応こちらもボタン長押しで対空特化の昇竜が出るとかそういう仕様なら読み合いの帳尻は合うかもしれないが、流石にボタンの押す時間で弱、中、強の三種類の必殺技を打ち分けるのは現実問題難しいので本当に一種類ずつしか必殺技が搭載されていない可能性がある。(→+中で中昇龍出させて)


・今回発表された簡易入力に対しての筆者の所感


もうオブラートに包んでも仕方ないと思うのではっきり言ってしまうと、もしも(※違う可能性もあります)スト6で実装されるのが必殺技の弱中強が打ち分けられず。出せる通常技にも制限がかかるような簡易入力システムであるというのなら、これは筆者が一番良くないなと思うタイプの簡易入力システムだ。

もちろん「よくまあ簡易入力に舵を切ってくれた」と喜んではいる。それでもやっぱり究極モダンでずっと遊び続けられる仕様まで行かないとゲーム全体の活性化。人口の確保は苦しいんじゃないかという意見だ。この意見は自分だけではなく似たような意見を言っている方を見かけた。
(※ここでカチンときた格ゲーマーさんがいるかもしれないがフォローは後述で行わせてほしい)

前の初心者挫折記事でも言ったがゲーム操作の前提である入力の難しさに価値を見出すゲーム性は今の時代ウケない。

この簡易入力は(※表記の額面通りに受け取ると)要は他のゲームでも失敗しているタイプの簡易入力と全く同じであり、結局遊んでいるとどこかで「頑張って難しい操作を練習してくださいね」とゲーム側が言ってくるようなシステムだ。そして、その難しいクラシック操作という物はモダン操作の延長にはない非直感的な物だ。

新規ユーザーにとってこのシステムは(※表記の額面通りに受け取ると)気休めにしかならないし、簡易で楽しめるという嘘もあっという間にバレるだろう。頑張ろうという意気込みを感じられるけど、多分まやかしにもならない。



・無茶言うなというよという意見や簡易を懸念する人の気持ちもわかる

で、ここで「簡易入力で遊び続けられないの?じゃあ続けられないよ。どっかの段階で折れちゃうでしょ」で終わるのはいくらなんでも乱暴だし唯我独尊が過ぎるし、簡易で完璧に戦えることが必ずしも大正義ではないというのは色んな格ゲーマーさんと話して筆者自身がわかっているので自分自身で自分に対論を突きつけてみようと思う。

まず簡易入力で起こるもっともわかりやすい問題として昇龍拳問題(※筆者が勝手に作った造語)がある。

こちらのコマンドが昇龍拳だ。これは出すまでに時間がかかるがめっちゃ強い対空技だ。
前作のスト5では原則相手のジャンプを見てから反応して昇龍拳を出すことはできず。格闘ゲームでは空中に意識を割く(コマンドの入力開始を準備する)ことで飛んできた相手を落とすというデザインになっている。

で、昇龍拳が簡易入力できると真っ先に起こる問題がある。

昇龍拳の入力の手間が少ないと相手のジャンプを見てからワンボタンで落とせるようになってしまう。昇龍拳というのは最強の対空技としてずっとデザインされてきたが、簡単で出せてしまうと格闘ゲームにおいて相手に向かってジャンプするという選択肢そのものが(見てから潰されるので)死んでしまう。
じゃあ昇龍拳が出るまでの時間を長くすれば良いのではと思うかもしれないが、この昇龍拳はコンボパーツにも用いられるので出が遅くなるとコンボが繋がらなくなる危険性がある。(だったらコンボ判定の時だけ昇龍の入力受付早くすれば良いんじゃねえの?)

ちなみに筆者がストリートファイターの初心者挫折記事を記事を書いていた時に知ったことだが、この昇龍拳問題に似たような問題が過去に起きたことがあるようだ。

それがこちら。3DS版スパIVのガイルだ。
この作品は3DSタッチパネルワンボタンで必殺技が出せる仕様であり、溜めないと出せないはずのソニックブームを前進しながら出せてしまっていた。(これはこのゲームの問題点として取り沙汰されることになった)

要は、簡易操作を入れてしまうことで従来のゲームバランスが崩壊してしまう可能性があるのだ。だから簡易操作は従来の操作に比べて弱くなければいけないんじゃないのという意見があるわけだ。

前作ストVというゲームは複雑な数字のゲームでもある。

そんな状況でモダンでストリートファイターを完璧に遊べてしまったらゲーム性を損ねることになりかねない。つまり、今格ゲーを楽しんでいるプレイヤー層が損する(つまらないゲーム性に付き合う)ことになる。
だから簡易操作はなんちゃって操作システムにならざるを得ないという意見だ。



・格闘ゲームという概念はやはり最終的には難しい操作と切り離せない存在?


①簡易操作だけで遊べるゲーム性は初心者にとって理想だけど深みが失われる危険性がある

②上級者が深く楽しめるゲームは初心者が居つかない


やっぱり、この辺りの初心者と上級者の対立を完全に解消するのは理屈上不可能な気がする。
この問題を完全に解消できたゲームは存在していないんじゃないかと思う。(こういう問題を出すと結構勘違いされる方がいるが、大体の初心者は初心者のまま上級者と並びたい(勝ちたい)というわけではない。大事なのは上達する時の敷居の問題なのだ)

それこそスマブラだって、Apexだって、FF14、ダークソウルだってゲームが上手いプレイヤーと初心者プレイヤーの両者を完全に納得させるゲームシステムを構築することはできなかった。必ず初心者と上級者のどちらかが割りを食っていたのだ。

正直、今回のモダン入力は(※もしも表記通りの簡易入力であるのなら)中途半端と言わざるを得ない。
市場を拡大するなら究極モダンで遊び続けられる仕様まで行かないと苦しいと思う。

難しい入力を組み込まざるを得ないのが格ゲーの限界かもしれないがそれでもやっぱり入力難度で性能が違うシステムは半端すぎて不要というか、結局難しい入力に価値を見出すゲーム性は(それが格ゲーの限界であったとしても)どっかで諦めて別ゲー行く流れになるんじゃないの?という意見は変わらない。

賛否は起こっているけど古くからの格ゲーマーは格ゲーの環境にあまりにも慣れすぎだと思う。現代ゲーマーにとって格ゲーというジャンルは多数の選択肢がある中の、一つのゲームだ。彼らからすれば、他のたくさんあるゲームと同じように飽きれば秒で投げられるような存在だ。
それは間違ってもゲームそのものに価値がないんじゃなくて売れることに特化した最近のゲームが何も知らないで遊ぼうとするプレイヤーに対してあまりにも親切すぎるということに起因する。
なので、そういうプレイヤー達に「生ぬるい」とか「甘ったれている」と言った根性論みたいな批判をしたところで意味がないし何よりも企業からすると多くの人に買ってもらってリピーターになってもらった方が金になる。

とはいえだ。このゲームシリーズを今まで生きながらえさせてきたのは間違いなく上級者、それこそ今プロと言われているプレイヤーだと思う。格闘ゲーム、特にストリートファイターは人で持っている。ここを軽視することもできない。
これ以上の簡易化は、6ボタンやコマンド式と共にここまでやってきたストリートファイターシリーズのゲームデザインそのものを変更しなければどうにかなる気がしないが、それをやってしまうと上級者やプロがゲーム去ってしまうかもしれない。

前の記事でも言ったけど、やっぱり格ゲーの入力問題の理想の解決策は存在しないというか、やっぱりどうにもならない気がする


モダン入力が進出する=クラシック入力(既存のゲームシステムそのもの)の破壊になってしまう気がする。



・動画勢引退の未来予想

やはり現代ではプレイヤーの動画の拡散力は凄い。手っ取り早く技術を習得したいからこそ動画を観るという人が多い。

もしもモダンが初心者向けのシステムだとするのなら、多くのプレイヤーが効率と結論を求める昨今、プロプレイヤーは最終的には「どう足掻いてもクラシックの方が強い」と一言でも付け加えてしまうだろう。そうなれば、結局大多数のプレイヤーが真っ先にクラシックに手を出すだろう。

そして引退する。


また、ゲームの開始時にイナゴ系のyoutuberが最強テクニック紹介と称してクラシック操作でしかできないアクションを紹介する地獄のような未来が見える。

こうなるともうモダンモードを入れている意味が無いというか、結局似たようなことをした他の格闘ゲームと同じ結末に至る未来しか見えない。





・一人用モードは真の初心者救済となりうるか?


そこで気になったのがスト6のストーリーモードだった。

このモードを見て筆者が真っ先に思いついたゲームは――






――2010年12月にElectronic Arts(EA)から発売されたSkate3だ。

オープンワールドを動きながら街を自由に散策しつつ、街を歩くNPCと(エンカウント形式ではなく)自分の意思で技術を競い合う。
街中にいるスケーターに話しかけるとお題を提示されて、特定の条件下で難しいテクニックをクリアできればゲーム内で使えるスキンやボードを獲得。というようなゲームシステム(だった気がする……)。

全然違うかもしれないがスト6のストーリーが似たようなシステムになっているのなら良さそうだなと思った。一人で遊んでいるだけでゲームに必要な知識を覚えられるのならオンライン対戦の敷居も下がりそうだ。


バトルハブモードも初心者救済として気になるところではある。
個人的には、現在youtubeなどの外部のプレイヤーコミュニティ頼りになっている初心者救済をゲーム内で一元化できるような仕組みづくりがされていることを期待していきたい。


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