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星空撮影のためのカメラ基礎知識

「カメラやスマホで、満天の星空を撮影したい ――」
そんな方に向けた、初心者から1歩踏み出すための内容をお送りします。

カメラの3要素

カメラ(レンズ)には、3つのとても重要な要素があります。
この要素の理解がカメラ撮影の基本であり、ほぼ全てと言っても過言ではありません。

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早速それぞれについて解説していきたいと思います。

1.F値

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レンズの「絞り」を表す数値で、結論から言うとF値が小さければ小さいほど良いです!
ざっくりF2.8以下であれば星空撮影に適していると考えてOKです。また、F値が小さいと背景をボカした写真も撮りやすくなるという利点があります。
ちなみに人間の目のF値は約1.0と言われています。(高性能!)

F値は設定できる値ですが、下限はレンズによって決まっています
星空撮影においては理由がない限りF値は最小に設定します。
最近のスマホはレンズの進歩によりF2.0以下が普通になり、画質が大変良くなりました。(夜景撮影、ポートレート撮影)
お手持ちのカメラ/スマホのF値はいくらですか?


2.シャッタースピード(SS)
これは分かりやすいですね。
何秒間、もしくは何分の1秒間撮影をし続けるかという数値です。
カメラで設定でき、当然長くした方がたくさんの光(=星!)が写ります

「じゃあ長くした方が良いやん!」と思うところですが、地球が自転しているためにシャッタースピードを長くしすぎると星が線で写ってしまい、違和感ある写真になってしまいます。
F値などの性能によりますが、星空は10秒~30秒で撮ることが多いです(私は)。
同様に、野球など動きの速いスポーツを撮影する際は、SSをとても短くしないとブレた写真になってしまうのも理解できると思います。
なおこれを応用し、何分間も撮り続けると星がグルグルしている写真が撮れます。

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このSSを自由に増減できる点が、光学的に高性能な人間にも真似できないカメラの優位点と言えるでしょう。

3. ISO感度
光を受け取る「センサーの感度」です。
イソ感度や、そのままアイエスオーと読まれます。私は後者です。
(ISO9001・14001と同じく、ISOで定められた規格なので)

ISOは、単純には値が大きければ大きいほど良いです!
数値が大きいと光に対しセンサーが敏感になり、弱い光(=星)も写るようになります。(う~ん、写っちゃう!)

「じゃあ最大に設定したら良いんだ!」と思うところですが、カメラ(センサー)によって実用上の許容範囲があります。
具体的には、ISOを大きくすると写真がザラザラしてきます。もっと大きくすると、光がないところに白や赤、青の光が混ざってきます(=ノイズ)。

高価なカメラ(≒センサーが大きい)ほど、高いISOで撮ってもザラつきが少なく綺麗です。近年のスマホはセンサー技術の進歩により、夜景でも手持ちで美しく撮れるようになりました。

ちなみに私のミラーレス一眼、オリンパスPENだとISO1600前後で星空撮影します。
フルサイズだと8000、10000まで耐えられるらしいです。(しらんけど)
ちなみに人間の目は、ISO37万相当!です。ISOたったの1600か... ザコめ... というレベルですね。

とにかく3要素

おさらいですが、お手持ちのカメラ/スマホの3要素
・F値
・シャッタースピード
・ISO

の数値と設定方法を調べて、知っておいてください。
星空撮影に適しているかが分かります。
レンズに書いてあったり、スマホカメラもネットで調べることができます。

参考に、トップの天の川写真は
・F2.0
・SS 25秒
・ISO1600
で撮影したものです。

また、代表的なスマホのメインカメラF値はこの通り。
・iPhone11 Pro:F1.8
・iPhoneSE(2020):F1.8
・iPhone7:F1.8
・Galaxy S10:F1.5

iPhone何も変わってないやん!と思いますが、センサーサイズやノイズ処理技術が向上(実用ISO範囲が拡大)していると考えられます。

他にも焦点距離(mm)やホワイトバランスなどございますが、これは星が写る/写らないには直接関係ないため今回は割愛。
ピント合わせが説明できておりませんが、次回または現地でレクチャーできれば思います。
また、何故こうなるかという理由を書くと長くなるため結果のみ書きました。

知り合い向けの内容のため、奇跡的に漂着された方、言葉足らずの点もありますがご容赦ください。

おまけ:3要素と三脚と


三脚は星空撮影に必須です。なぜでしょう?

それは、上記の3要素のうち1つが大きく関係します。
1.F値 2.シャッタースピード 3.ISO

答えは「2.のシャッタースピードを長くして撮るから」です。
撮影中に少しでもカメラが動くと、星がブレてしまいます。
カバンや石で固定することも可能ですが、うまく角度を合わせるのは難しいです。

また山では風もあり、しっかりしたモノでないと役に立たないことがあります。こんなのが良さそうです↓

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 スマホ三脚 リモコン付き


軽量コンパクトなこんなのも有り↓
ただし背の低い草木も一緒に写ってしまうため、あまりオススメしません。

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スマホ三脚(ゴリラポッド系)


星空撮影に適したレンズの例(明るいレンズで撮影範囲も広い。ゆえに値段も高い)

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OLYMPUS 単焦点レンズ M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8

長くなりましたが、時間がある今こそ事前準備のチャンスと言えます。
設定さえキチンとできれば、お家の庭やベランダからでも星が撮影できます。
ここでは知識のみで具体的な撮影方法には触れていませんが、3つの密を避けつつカメラの3要素をきっちり理解できれば、美しい星空写真はもうすぐそこです!

ではみなさま、また満天の星空の下で会いましょう

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