レプタイトルテ:フルーティ #21個目

 今日も力強く荒ぶるスーさん(コーンスネーク)。弥生の末から食事を拒否してはや1ヶ月、糧を得ずして何故ここまで生命力が途絶えず溢れるのか。

 今日も食べないスーさん、ついに1125.3g。
 もしかすると爬虫類は動物と植物の間の存在なのかもしれない。脊椎も脳もありながら食べずに生き永らえるのは不可解を通り越して畏敬すら感じる。それでも健康的な食生活を送ってほしいとも思う。

 いま巷ではアミメニシキヘビの脱走が話題となっている。捕獲や生態の詳細は専門家に任せるとして、いち爬虫類飼育者としてはどうやってそのヘビと向かい合っているのか気になって仕方ない。
 脱走したヘビの全長は約3.5m。我がスーさんの全長は、私の腕の長さとほぼ同じ約160cmだ。コーンスネークはヘビ類の中では比較的気性が穏やかなのだそうだが、それでもケージの移動の際などは力強く拒否の意思表示をする。

 スーさんを傷つけないよう手加減も必要だが、それでもどうかするとスーさんの筋力と柔軟性に主導権を失いそうになることもある。温厚な中型のヘビでさえこうなのだから、大型のヘビの日々の世話や移動はどうなっているのだろうか。生物園などの専門機関なら当然必要な設備もスタッフも揃っているだろう。しかしペットとして個人が飼育している場合だと、3.6mのヘビ相手では成人男性でも腕力負けするのではないだろうか。
 大型爬虫類の重厚感や賢哲の佇まいには得も言われぬ魅力があるのは私も感じるところだ。しかし、たとえ攻撃性が低くても自身の腕力でコントロールしきれない生物を飼育するのは相当困難なのではないかと思わずにはいられない。

 まあ平たく言えば「ケージ掃除の時はどうやってヘビを動かしてるんだろう」ということだ。
 迷子のアミメニシキヘビが無事保護されるのを祈りつ。


今日の英語:Python reticulatus

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