背筋を伸ばせば足の裏まで

 私は比較的正しい歩き方をしている。それが小さな自信。
 私は冬になるとブーツを履く。風物詩ということもあるが、やはり何といっても暖かい。初めてブーツを履いた時はその足首への保温力に感動したのだ。
 最初に買ったブーツは偶然にも靴底がコルク製で、サスペンションは良かったのだが磨り減るのが早い。そのためシーズンの終わりには靴底の張り替えをしなければならなかった。その中でも最も摩滅が激しいのが踵の外側あたり。私は気付かないうちに足を引き摺るような歩き方をしていたのだろうかと心配になったのだが、調べてみるとそうではないことが分かった。むしろそれこそ正しい磨り減り方であるらしい。
 ネットで調べたところ複数のサイトで靴の踵の外側が磨り減るのは正常であると解説されていた。私は普段姿勢を良くしようと意識しているが、それが歩行にも反映されているのだ。これは美点としてカウントしてもいいのではないだろうか。
 その踵の磨り減りを教えてくれたブーツは完全に履き潰し、今は別の新しいブーツを履いている。それでもブーツを履く時は、私は正しい歩き方をしているのだと少し心が嬉しくなる。


今日の英語:Boots

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