無脊椎動物テイスティング

 相変わらずリンさん(ヒョウモントカゲモドキ)は週に3匹ほどしかミルワームを食べてくれない。いっそ主食をハニーワームに切り替えた方が良いだろうか、しかしミルワームはストックとして優秀それに気温が上がれば食べてくれるかもしれない、そうフワフワ迷いながらもミルワームの飼育を続けている。
 ミルワームの飼育方法は昨年からずっと変わらない。床材は小麦ふすま、そして毎日成虫と幼虫にそれぞれ野菜の切れ端。切れ端は人間が食べたものの残りになるので自然と季節に応じたものになる。基本的にミルワームはどの野菜も食べるが、やはり小さな虫なので硬いものは食べられない。それでもキャベツやブロッコリーなどアブラナ科の野菜の芯は、一晩飼育ケースに入れておくと繊維部分しか残らないほど人気だ。
 しかしそれ以上に人気があるのがリンゴである。リンゴをくし型に切ると、種と一緒にわずかな果肉が切り取られる。それを飼育ケースに入れるとミルワームは顕著に反応する。幼虫であれば、それまで半ば床材に埋もれて隠れていた一瞬ざわつき、リンゴを中心に放射状の線ができるほど一斉に集まってくる。成虫であれば、幼虫より移動が早いので一瞬で黒山の虫だかりである。こんな頑丈が取り柄の昆虫に嗅覚があるというのも不思議な気もする。雑食の昆虫であるのに食の好みがあるとは、ミルワームにも健康長寿のための栄養バランスがあるのだろうか?
 そして昨日のリンゴの破片はコンポストへ投げ入れ、明日ミルワームはリンさんの食餌となる。そのために手間をかけている。


今日の英語:Tasting

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