ネコーヒー：ストレート #15杯目

　我が家周辺はどうやら猫に対して寛容であるらしく、常にどこかで猫が散歩している。かつてよりは相当数は減っているが、月に2.3回はブロック塀の陰に消えていく尻尾を見かける。
　そんな中でも我が家の庭をテリトリーと決めた猫がいる。仮名は「チンピラ」。テトとマユが屋外に興味が無いことをいいことに、フェンスの隙間から我が家の庭に出入りし放題。毛艶の良さから飼い猫であろうと推測されるが、まあこれが目付きも柄も悪い。ふらりと我が家の玄関前にやってきては大声で“シノギ”を要求するのだ。
　それもありきたりなブツでは歯牙にもかけず、小さなパケに入った純度の高いブツでなければ認めない。彼の目利きは確かなようだ。厳しい要求に根を上げた母は今日ついに赤いアンプル入りのブツを上納しようとしたところ、その手を彼に引っ掻かれた。
　開封の手際が悪いということだったのか、彼は母の手からアンプルをはたき落としブツをメシャメシャ食べたということである。

　我が家には掘り返し放題の庭もあるし猫用フードのストックもある。多少の蛮行も許容するがさすがに流血沙汰はご勘弁いただきたい。次回も小さなパケに入った上物のブツを用意しておきますので。
　ちなみに母は「喜ぶかなと思って美味しいの出したのに」と少ししょんぼりしていた。

今日の英語：Packet