脳内で閃く感動の電流

 私は職場で郵便物を仕分けする作業も担当している。毎日届く封筒の束を分別し、必要なものは開封して各者各部署に振り分ける。
 その中で特に担当者のないものとして、大病院や企業からの広報誌がある。一応業務の近い部署に振り分けるのだが、大半が読まれずに廃棄されてしまう。業務には必須ではない内容とはいえ、誰かが誰かに読まれることを想いながら書いた文章を右から左に捨てるには忍びず、特別関心のない内容でも表紙や目次だけは眼を通すようにしている。
 そんな薄幸のさだめにある広報誌だが、設備関係のものはなかなか面白い。特に私が興味深く読んでいるのが関東電気保安協会の広報誌だ。毎月平易な言葉で専門用語の解説や実際にあった電気トラブルなどを掲載している。そのため黄色い象が描かれた関東電気保安協会の冊子が届くと、休憩時間にじっくり読んで、読んだ証としてHPから毎月のキーワードクイズに答えている。
 その広報誌で今月は電気にまつわる歴史の簡単な特集がされていたのだが、そこにあった単語に目から鱗が落ちた。
「動電気」
 静があれば動がある。乾電池と湿電池を知っていながら何故その単語に想い至らなかったのか!調べてみると、動電気とは流れ動く電気、我々が消費する一般的な電気のことを指す。こちらの電気が一般化したため「動」の字は抜け落ちたのだろう。
 何事にも対がある。なら軟着陸の反対もあるに違いない。となると硬着陸か?そもそも軟着陸の理解が曖昧だ。これも調べてみなければ。
 私は研究職でも何でもないが、それでも山裾の好奇心は尽きない。知ることはいつまでも面白い。


今日の英語:Electricity

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