それ無くば人生なしとまで

 時間も自身も当然の推移だけれども、どこか物寂しくもある。
 先日の、魔法のiらんどで綴っていた日記の保存作業時、久しぶりにCDから音楽を聴いた。ここしばらく自室ではラジオを聞くことが大半で、音楽はポータブルメディアプレイヤーで決まった楽曲ばかりを聴いていた。日記の保存作業中も最初はラジオを流していたのだが、文章の作業をするのにBGMが「ひとの話し声」だとどうにもはかどらない。そこでPCに保存してあるメディアプレイヤー転送用の音楽を流してみた。
 すると思った以上にはかどる。上昇気流のような旋律は指先の作業を軽やかにする。そこでPCに取り込んでいないCDを引っ張り出してPCで再生する。やはり良い。指先だけが風を纏う感覚が脳内に描ける。
 後日、日記の保存作業時以外にもCDをかけようとCDデッキのスイッチを入れた。が、壊れていた。電源は入るのだがCDを再生できない。だが当然のことかもしれない。部屋で音楽を聴くという習慣から久しく離れていた。デッキの電源を入れたのも数年振りかもしれない。愛想を尽かされて当然だ。かつてはあれ程脳を旋律で浸したのに。……デッキを処分するにも、今は粗大ゴミの回収が立て込んでいるから片付くのに半年はかかるな。
 それでも私はもう一度CDデッキを買うだろう。音楽は私の血液の構成要素だから。

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