ネコーヒー:ストレート #34杯目

 久しぶりの博物館に行ってその帰り、見映えのする写真でも撮ろうとスマートフォンを構えると最高に見映えのする存在に遭遇した。

 博物館の前に猫とは、ムーサが気まぐれに降臨したのか?
 今まで何度も路上で猫を撮影したがこれほど見事な組み合わせはない。確かこの時は早めに帰ろうとか考えていたような気もするが、この千載一遇が勝利した。猫のシルエットは全てを語る、私の言葉など不要だ。

 しかし猫と博物館は何故こんなにも美しい光景を産み出すのか。ああ憧れのエルミタージュ。

 人間は猫に人間を投影するが、猫は常にただ自分のために生きている。

 私が古代エジプトに生まれていたら、間違いなくシストラムを振って踊る種類の人間だったろう。冥府の加護が無くともバステトこそ至高である。

 その全てに無駄がなく、その全てが美しい。人間が呼びながら常に自由である生き物、猫よ。



今日の英語:Bastet

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