桶の中の分解能力 後

 結果、このコンポストではマウスは分解しなかった。
 そのマウスはLLサイズ、尾を除いた体長は10cmほど。爬虫類の餌として冷凍された状態で販売されており、それが解凍して1日以上経過しているのだからあっという間に分解(というか腐敗)するものだと思っていた。しかしいっかな分解しない。1週間毎日朝晩コンポストを撹拌しているのだが、恨みがましく撹拌ブレードに引っ掛かって泥まみれの姿を現す。尾や手足が千切れるどころか毛が抜ける様子もない。さすがに申し訳なくなり庭の地面に還ってもらった。
 もしかするとこれは気温の低さが原因で、分解の速い夏期であればここまで残らなかったかもしれない。しかし今の時期でもイワシの頭程度であれば2晩もすれば分解してしまうのに、ここまで残るマウスの強靭さというか。やはり実験用に品種改良されていても元は地表を駆ける生物、土壌の腐敗にのまれない抵抗力を持っているのだろう。
 これから冬、毎日ブレードを回転させてうたた寝の微生物に分解を促す。


今日の英語:Resistance
 
 

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