無脊椎動物バイタリティ #4

 コンポストの基剤とも言うべきチップ材、これには発酵に必要な微生物が含まれている。しかし微生物は数ヵ月分解活動をすると休眠してしまう。なのである程度日数がたったチップ材は新品あるいは休眠させたチップ材と交換しなければならない。
 私はこれまでの分解で発生したチップ材(厳密には分解された生ゴミ類)を交換用にバケツに入れて保管しておいた。そして先週日曜日、コンポストのメンテナンスをしようと内部のチップ材を全て外に出し、バケツに入れておいた予備のチップ材に交換しようとした。のだが、予備のチップ材の中に妙なものがある。
 その妙なものとは枝分かれした30cmほどの紐状のもの。一見すると水苔のようだが、乾燥したチップ材の中にあったにしては柔らかい。うっすら気味悪さを感じながら端をちぎってみると、蜘蛛の巣のような糸の感触。別の場所を裂いて見ると小指の爪1/4ほどの白い芋虫の姿が。どうやらこの紐状のものは巣か繭であるようだ。チップ材の中を探ってみると同様のものが何本も出てくる。こんなに虫が巣食っているとは……と血圧が下がる気持ちだが、考えてみればチップ材は柔らかく滋養も豊富。地中に棲息する虫にはこの上ない好環境なのだろう。


今日の英語:Nest

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