ネコーヒー:ストレート #43杯目

 猫を追う。猫を追って歩く。猫の後ろ姿を追いながら歩く。

 野良猫という存在について議論はあるが、私は目の前の猫は肯定したい。特にそれがいかにも健康でふてぶてしい猫であるなら。

 いくら言葉を尽くしても、あの充足感は伝えきれるものではない。あの目線、あの造形、気だるく媚びない不遜な態度。

 こちらがあくせくと追いかけても、あちらは遊歩道でも歩くように街の隙間を抜けていく。

 追いかけども届かず。だがそれもよき。

 猫は人間の届かぬ先まで歩いていく。


今日の英語:footprints



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