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凡慮、海辺に釣行す #2

 8月も後半だというのにようやく釣りに行く。6月から休日に雨が降ったりワクチンを打ったりと予定が合わず、ちょうど2ヶ月ぶりの釣行となる。

 正午前に自転車で出発、例によって途中でおにぎりとコーヒーを購入する。しかし雨は降らないようだが彩度の低い天気。焦げるように日焼けをしても8月の遊びは灼熱であってほしい。

 本日の挑戦の場は2度目となる海浜公園の防波堤。今回はサビキ釣り用の仕掛けやタッパー、水汲みバケツも万全に用意できている。この海浜公園は釣り場所に直接自転車を停められるのは非常に便利なのだが、その周辺に腰掛けられるようなオブジェが無い。アウトドア用の座布団はあるのだが、コンクリートの広場ではやはり椅子が恋しくなる。次の買い物は折り畳みの椅子だろうか。

 仕掛けを繋ぎ一投目は2時のちょうど、これから潮が満ちていく時間。釣れる時間では全くないがともかく挑戦である。やはり左右には家族連れが多い。それでも一時のような密度はなくなったか。

 以前ここに来たのは5月。その時の飛行機は沖の方で着陸態勢に入っていたように記憶しているが、今日は我々のほぼ真上を下降していく。夏冬で離着陸の滑走路を使い分けているとは聞いているが、季節の風向きによって進入経路も細かく定められているのかもしれない。
 夏の飛行機、遠くから来てまた遠くへ往く。

 にしても釣れない。私も釣れないし左右の誰も釣れていない。唯一の例外は私の左隣で釣り初挑戦のおちびさん。まだ“よちよち歩き”の彼女は2回もフグを釣り上げていた。これがビギナーズラックというものか。釣ろうなどという欲は余計なのかもしれない。
 海面近くを何匹ものトンボが飛んでいた。この近くにまともな川どころか真水の池も無いのに一体どこから、どこでヤゴが育っているのだろう。

 4時近くまで粘るがやはり釣れない、そして誰も釣れていない。つまりここは「釣りをしてもいい」が「釣れる場所ではない」のだ。そうして私はここに釣りの練習に来ている。そういうことにしておこう。

 恒例のゴミ拾いをして撤収、今回は仕掛けをロストすることもなく上々。夏の雲の下、廃墟のような無人の道を走って帰る。次はまた写真のためだけにでも。


今日の英語: Jet

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