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Lo-D FT-400 修理調整記録

 ・2024年3月、古い機種を研究材料として寄付していただきました
 ・Lo-D(ローディ)懐かしい日立のオーディオブランドです
 ・初めて見る機種なので新発見があるかも、、興味津々
 ・以下、作業記録です


■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 HITACHI/Lo-D FT-400 ¥49,000(1974年頃)

Lo-D FT-400 正面パネル
Lo-D FT-400 背面パネル

■動作確認--------------------------------------------------

 ・フロントパネル右下に刻まれた HITACHI の文字が妙に新鮮な感じ、、
 ・既に清掃済みなのか、フロントパネルは美しく目立つ傷なし
 ・木製ボディも保存状態は良好、光沢があってツルピカです
 ・F型端子が無いのは残念、でもFM DET OUT端子が装備されている
 ・とりあえずFMアンテナを接続して電源オン
 ・周波数窓の照明点灯、二つのメーター照明点灯、指針照明点灯、
 ・昭和の香り漂うこの雰囲気が私の大好物です
 ・電球切れは無さそう、、さて受信動作は?
 ・名古屋地区のFM局を受信してみると0.2MHzほどズレた位置で受信OK
 ・このときSTEREOランプ点灯、実際のステレオ感もある
 ・ただSメーター最大点とTメーター中点が一致しない
 ・MUTING動作もOK、
 ・続いて背面バーアンテナで名古屋地区のAM局を受信してみると、
 ・Sメーターが大きく振れて全局とも受信OKでした
 ・致命的な故障は無さそうです

Lo-D FT-400
Lo-D FT-400

■内部確認--------------------------------------------------

 ・Lo-D機にはほとんど縁が無く唯一 FT-420 の記録が残っているだけです
 ・そのFT-420 はPLL化されたHA1156搭載機でしたが、さて FT-400 は?
 ・IC01 HA1115、PLL化される以前の古いタイプのスイッチング方式でした
 ・FM3連AM2連バリコン搭載フロントエンド、IF BAND切換機能なし
 ・基板を見渡すとIFやMPX等がブロック毎に白線で区画割りされているが
 ・部品番号が各ブロックで同じなのでちょっとややこしい

Lo-D FT-400 調整ポイント

■調整記録--------------------------------------------------

【Tメーター調整】
 ・固定出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83.0MHz受信 → 83MHz付近で波形を見ながら最良ポイントを探す
 ・83.0MHz受信 → T06上段コア調整 → Tメーター中点
【OSC調整】
 ・76.0MHz受信 → L04調整 → Tメーター中点
 ・90.0MHz受信 → TC03調整 → Tメーター中点
【RF調整】
 ・TP S-meter → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・76.0MHz受信 → L01,L02調整 → 電圧最大
 ・90.0MHz受信 → TC01,TC02調整 → 電圧最大
 ・83.0MHz受信 → T01調整 → 電圧最大
【IF調整】
 ・TP S-meter → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・83.0MHz受信 → T01~T05調整 → Sメーター最大
 ・83.0MHz受信 → T07調整 → Sメーター最大
【レシオ検波調整】
 ・固定出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83.0MHz受信 → T06上段コア調整 → Tメーター中点
 ・83.0MHz受信 → T06下段コア調整 → 高調波歪最小
【Sメーター調整】
 ・83.0MHz受信 → VR04調整 → Sメーター振れ具合調整
【MUTING調整】
 ・83.0MHz受信 → VR05調整 → MUTINGレベル調整
【MPX調整】※試行錯誤の結果なので参考程度です
 ・固定出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83.0MHz SUB信号受信 → L01,L02調整 → Lchレベル最大
 ・83.0MHz SUB信号受信 → L03,VR01調整 → 高調波歪最小
【セパレーション調整】
 ・固定出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83.0MHz,ST → VR02 → 反対ch漏れ信号最小
【AM調整】
 ・ 600kHz受信 → バーアンテナ、L05調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TC05,TC04調整 → Sメーター最大
 ・1000kHz受信 → T02調整 → Sメーター最大
 ・1000kHz受信 → VR03調整 → Sメーター振れ具合調整

 ※VR01:FM OUT → 規定値が不明なので適当に設定しました
 ※VR02:AM OUT → 規定値が不明なので適当に設定しました

Lo-D FT-400 受信調整作業

■試聴------------------------------------------------------

 ・緑色に浮かび上がる周波数窓を眺めていると癒されますね
 ・特に故障個所も無くFM/AMとも不満なく受信できます
 ・本機のようなオールドチューナーを何台も所有していますが
 ・定期的に入れ換えながらリスニングBGM用に使っています
 ・稼働する状態で保存する「動態保存」を心がけています

Lo-D FT-400 HITACHI のロゴが懐かしい

→ ココログ:BLUESS Laboratory

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