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『帰って来た橋本治展』神奈川近代文学館 2024.5.12.

一般的に知られている橋本治像とは別に、僕にとっては仲井戸麗市やおおくぼひさこさんの友人としての存在が大きい。しかも橋本さんが持つ多様な顔の中のひとつとして、この " チャボやおおくぼさんの友人 " を捉えてしまっているので、作品に対してのいい読み手ではない。そんな僕でも、いや、そんな僕だからこそ、橋本さんの歩みを振り返る特別展『帰って来た橋本治展』に展示されているたくさんの作品や資料から伝わる多才ぶりには圧倒された。

2011年『安野光雅展 ―アンデルセンと旅して』以来の神奈川近代文学館

第2部の展示「作家のおしごと」で実際に目にすることができた原稿や手紙などの内容や文字はもちろんなのだが、とにかくその質量…ボリュームに驚かされる。本当に凄い人だったんだなということを視覚で把握できる。ここだけでもお腹がいっぱいになるが、さらに見応えがあったのが、イラストレーターが本職だった時代の第3部「橋本治美術館」だ。沢田研二などがデザインされたセーターの編み物の技術にはため息が出るし、表紙を担当した本や絵の原画は素晴らしく見惚れるしかなかった。素晴らしい展覧会だった。

展示以外に嬉しいこともあった。僕が行った日と前日の2日間は、先着50名に橋本さん収集の映画ビデオテープのプレゼント企画があったのだ。

ただでさえ何が出るかわからない楽しさがあったのだけれど、開けてみたら『ゴーストバスターズ2』が出てきた。帰宅後も楽しい余韻をもたらしてくれた企画だった。ありがとうございます。テープはVHSなので再生はできないけれど、大切にします。

入口でいただいたプレゼント / 展覧会はワークシートと共にまわった
ゴーストバスターズ♪ プレゼント企画の日に行けたのはラッキーでした


P.S.

古井戸の『四季の詩』にデザイナーとして橋本さんがクレジットされているのだが、展示品としては弱かったのだろうか「橋本治美術館」にはなかった。

古井戸『四季の詩』


P.S.2

2015年4月、おおくぼひさこさんの写真展『PASSING』の初日に行ったときのこと。僕が訪ねたすぐ後に橋本治さんがいらっしゃって、ひさこさんと二人で展示されている作品について色々なお話をされていた。運良くその時間はお客さんが少なくてほぼ貸し切り状態。僕にとってはおおくぼさんと橋本さんによる生の音声解説を聞く場になった。今思えば、何という贅沢な時間だっただろうか。


P.S.3
2015年8月30日。チャボがMCを務めたBSジャパンの音楽番組『オン・ザ・ロック!』に橋本治さんが出演した回で、エンディングに今夜の一曲として選びチャボが贈った曲はデヴィッド・ボウイの「スターマン」だった。

『オン・ザ・ロック!』橋本さんのロック履歴書


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