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お笑いコラム② ブラマヨ


ブラマヨといったら、”ブツブツ”&”ハゲ”というイメージだろう。
どれほどの人が、彼らの魅力を分かっているだろうか?というわけで、魅力を言語化してみる。

▼お笑いコラム①

漫才の”形”

ブラマヨと言ったら、M-1 2005年の衝撃的な漫才だろう。

吉田の「ラジオのようなフリートーク形式の漫才がやりたい」と言う提案から、二人の前に真っ白なノートを置いてその場の思いつきの会話形式でネタを作り書き込んでいったのが始まり。最初のネタは二人で爆笑しながら完成したよう。

漫才の序盤、吉田の「でもなぁーー」からお約束のぼやきが始まり、小杉がツッコむというやりとりが続く。典型的なボケツッコミである。

突っ込みの小杉も、最初は妥当な案だが徐々に無茶な案になっていく。それに対して、吉田が的外れな文句をつけて笑わせるという芸風をも取り入れている。

2人のテンションの上昇に伴い、よくよく聞くと吉田の口調は完全に「ツッコミ」寄りになる。ブラマヨの漫才はWボケならぬ「Wツッコミ」なのだ。

もうちょっと正確に言うと吉田のボケは「本人はツッコミになったつもり」という新しいボケなのである。メタ視点で初めてボケツッコミが成立している。

ちなみに、ネタの終盤あたりで興奮気味にツッコミをする小杉の顔に吉田がビンタをし、ネタの最後では必ずといっていいほど小杉の問いかけに対し吉田が皮膚科関係のことを言い終了する。(笑) 

客が序盤にインプットした「ボケ-ツッコミ」の認識がいつのまにか無意識のうちに揺さぶられているのだ。


人と人が摩擦して起こす爆発力


自然体な会話ベースの漫才だからこそ台本感もないしアドリブも豊富に入れられるの。いつどの会話聞いても本当に面白い。漫才で嘘ついていない。
人間と人間の圧力がぶつかった時に爆発が起きて、見ていて鳥肌がたつ。

昔のブラマヨのラジオ聴いたら特に吉田は発想も間も屈折してる感じも既に完成していた。売れるべくして売れた人のうちの1人だろう。 汚い部分もすべて自覚してさらけ出している感が、人としてかっこいいし、めっちゃ面白い。

▼ブラマヨ吉田をリスペクトする芸人

掴みよりも空気感を大切にする


M-1優勝したチャンピオンの中で、最初の笑いをとるまで、いわゆる掴み平均時間は11秒。
ブラマヨは最初の笑いまで44秒ためた。それまで無音。
吉田は「まずは自分たちの空気感を観客に分かってもらうことを大事にしたい」といった。そのハートの強さはすごい。


ちなみに、ブラマヨの漫才で、ボケの吉田より、突っ込みの小杉が変なことを言い出すタイミングで”13ラリー目”だ。
お笑いのコード進行が一緒なのだ。二人が気持ちがたかぶる瞬間が一緒なのだろう。互いの世界で作り出しているんだ。


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