新しい船出に帆を張ろう。これからもまっすぐに歩を進めよう。
2022年12月28日、VRアイドル『えのぐ』の2022年を締めくくるワンマンライブ「大絶響祭2022WINTER Beat of Stellar」。
目標としていた年間50公演出演の最後を飾るステージであり、4人体制でのラストライブ。
このステージでメンバーである夏目ハルはマイクをステージに置き、今後はチーム・えのぐの一員、スタッフとして活動していく。
永遠の別れではないけれど、やはりさみしい。
彼女は最後のライブ、笑ってくれと言っていたがそれができるのかわからないくらいにさみしくて、どこかでこの日よ来ないでくれとも思っていた。
しかし、今は、この日が来てよかったと自信を持って答えられる。
それほどまでにすばらしくて、楽しいライブだった。
正直な話、私は結構泣いていた。
これまでの彼女たちのことを思い出し、こらえきれないものがあった。
だけど、同じくらい笑った。笑えた。笑わせてくれた。
最後の最後まで楽しみ、楽しませることを忘れないチーム・えのぐのプロフェッショナルな姿に、アイドルとしての生き様に心がドンドンと突き動かされた。
この鼓動はここでしか、この瞬間でした味わえないものだった。
いつものバンドメンバー、ブラスバンドの皆様、FREESTYLE BASKETBALL PLAYERの皆様、THEATER DANCERの皆様との共演。圧倒的なパフォーマンス。
その魅力についてはもうアーカイブ買って見てほしい。
私の言葉ではあの鼓動を生み出すことはまだできない。
バーチャルアイドルの最前線がここにある。
言っておくが彼女たちの歌やダンスは別撮り・録画ではない。
もちろん別撮り・録画によるメリットはあるしそれを否定することは決してしない。
それだって楽しいし、安心して見ていられる。
しかし、生でのパフォーマンスだからこそ味わえるものは絶対にある。
えのぐだから得られるものがある。
正々堂々、一歩ずつ、地道に、着実に歩を進めてきた彼女たちの姿は、何かを頑張っている人、何かを頑張りたい人、頑張ることに疲れてしまった人、何を頑張りたいかがわからない人すべての心を揺さぶる。
頑張ることを笑う人や、興味を持つ気がない人には届かないかもしれない。
でも、届かせようとするのが彼女たちだ。
実際、2022年は対バンライブに多く出演し、最前列で座り込んでスマホをいじくっていた人のうちの一部は振り向かせた。
バーチャルというイロモノ枠としてではなく、アイドルとして。
本当に強いなと思った。
その強さに何度助けられたかわからない。
なのに、4人でのえのぐはこれで最後。
全力を出して応援した。それでも全部は返せぬままに、最後を迎えた。
後悔はない。清々しさもある。でもやっぱり、
私はあなたたちの力に、少しでもなれていたでしょうか。
そんな思いが時折頭をかすめる。
答えはわからない。わからなくていい。
これが透明な想いでしょうか。私は恋擬き。
実際のところ、答えが何であっても「ありがとう」の言葉しか出てこない。
夏目ハルさん。
えのぐになってくれてありがとう。
最後の最後までえのぐでいてくれてありがとう。
楽しませてくれてありがとう。
これからも、えのぐを支えてくれてありがとう。
白藤環さん。
泣いてしまっても、最後まで顔を上げて、歌いきってくれてありがとう。
ハルちゃんからのバトンを受け取ってくれてありがとう。
生きる理由になってくれてありがとう。
日向奈央さん。
純粋に、技術や心を磨き続けてくれてありがとう。
どんな時でも楽しむことを忘れずに、その姿勢を見せてくれてありがとう。
臆せずに突き進んで道を切り拓いてくれてありがとう。
鈴木あんずさん。
一番最初に、一歩目を踏み出してくれてありがとう。
あきらめずに何度でも目標に手を伸ばし、その反対の手で、こちらにも手を伸ばしてくれてありがとう。
横並びで歩こうと言ってくれてありがとう。
皆、これからも「えのぐ」でいてくれてありがとう。
この「ありがとう」が、僕の詩です。それはこれからも変わりません。
さあ、次の現場はどこですか?どこの港に停泊しますか?
「どこであろうと行くぜ」なんてかっこいいこと言えたらいいんですが、そこはいったん財布やら仕事やらと相談させてください。
その代わり、心だけは絶対に飛ばすんで。
えのぐの心は一つ。その中に、私の心も交ぜてはくれませんか。
一緒に、連れて行っちゃあくれませんか。
横に並ばせてくれませんか。微力でも、微力を尽くします。
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