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プロ意識を感じられなくなったので、別の店に行くことにした。

5月から週1で通っていた酵素風呂をやめた。
酵素風呂については、以前こんな記事を書いている。(酵素風呂って何?という人は読んでみてください)

体の芯から温まり、大量の汗が出る。スッキリして気持ちがいい。最高のデトックス。そう思っていたし、できれば続けたかったのだが、ある理由によってやめることにした。

スタッフが変わったのだ。
それまではずっとベテラン風のお姉さんが担当してくれていた。シフトの都合なのか、たまに若い女性スタッフにあたることもあったが、それも10回に1回程度。技術や接客の差は感じていたが、たまのことなので我慢はできた。

それが、急に大学生のアルバイトみたいな女の子が入ってきた。最初にあたった時は、「新しい人が入ったんだなー。そりゃ、新人教育も必要よね」と思っていたのだが、翌週もベテランのお姉さんには会えなかった。
さすがに気になり、女の子に聞いてみると、「長期で休まれていると聞いてます」とのこと。
何があったのかはわからないが、なんとなくその口調から、かなり長い間戻ってこないような気がした。このまま辞めてしまうのかも、とも思った。

その女の子に交代するまで、失礼な話だが、私は酵素風呂のスタッフにそれほど技術が必要だとは思っていなかった。(ごめんなさい!)
米ぬか(土のようなもの)が大きな木箱のようなところに入っていて、人のサイズに浅く穴が掘ってある。そこに寝転ぶとスタッフが米ぬかをかけてくれて首から上以外を埋めてくれる。
いわば「人を埋める」、ただそれだけのことだと思っていた。

それが、新人さんにあたって、ベテランお姉さんがどれほどすごい技術を持っていたのかよくわかったのだ。
お姉さんがやると、米ぬかに埋まることが苦しくない。全体的にふわっとしていて重さは感じないのに、とにかく温まる。
一方、新人さんがやると、体に負担がかかる。重くて苦しいのに、なぜか温まらない。こんなに違うものかとびっくりした。

ただ、新人にあたるのが嫌というだけなら、まだ我慢できたと思うのだが、私がやめようと思ったのはオーナーのやり方に疑問を持ったからだ。
というのも、オーナーは私を使って新人を練習させたのだ。それもオーナーは男性だ。体が埋まって見えないからいいと思ったのか、途中で入ってきて、新人に「もっとこうして」「こうやっておさえて」と教え始めたのだ。
いろんな意味で、「えっ?」と思ったし、二人が出て行って一人になってからも、いろいろ考えていたら少しもリラックスできず、ストレスだけがたまって終わった。

技術だけでなく接客も同様で、新人さんはベテランお姉さんのような気遣いや声かけは何一つなく、これまでとまったく違うのでどうしてもイライラしてしまう。
教わっていないということもあるかもしれないが、私は「気遣い」や「心配り」の部分というのは、その人が本来持っているものが大いに関係していると思っている。
目の前のお客さんがどうしたら気分良くなるだろう、どうしてあげたらより楽しんでくれるだろうと考えることができれば、教わっていなくても出てくる言葉や行動というのはあるものだ。
新人さんからはそれが全く感じられなかった。
続けていたら技術的には良くなるかもしれないが、接客は無理だろうなと、なんとなく予想がついてしまった。

何よりもオーナーのやり方に疑問を持ったことが大きい。
ベテランお姉さんがいなくなったのはオーナーにとっても突然のことだったのかもしれないが、やはり経営者としては「そういうこともあるかもしれない」と考えて、お姉さんがいる間に新人教育をしっかりしておくべきだったし、少なくともお客さんの前に出せる状態にしてから接客させるべきだったのではないかと思う。客で練習させるなんて、あり得ない。

私は厳しい客かもしれないが、往復2時間以上かけて行き、決して安くない料金を払い、真剣に体のケアをしたいと思っているので、この判断は間違っていないと思っている。それだけのお金と労力と時間をかける価値が感じられなくなったのだから。
ただ、酵素風呂は好きだったので、今は家の近くで良いお店がないか探しているところだ。何店か試してみて、気に入ったところがあればまた続けてみようかと思っている。

誰だって、何だって、「初めてのこと」はある。
私もいつも完璧に仕事をしているわけではないし、失敗も多々ある。
だけど、お金をもらっている限り、プロとしてプライドを持って、目の前の仕事を精一杯やってきたつもりだ。
その「プロ意識」のようなものがオーナーからも新人さんからも感じられなかったことが、とても残念だった。

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