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「アンソニー派?テリィ派?」で盛り上がった夜

友達と3人でご飯を食べに行った帰りの電車で、子どもの頃に読んでいた少女漫画の話になった。
もとはと言えば、私が自分の持っている『ワンピース』や『スラムダンク』を友達の娘ちゃん(小6)に貸してあげている話から始まったのだが。(こんないい年のおばちゃんと小学生が同じものを読んで語り合えるのが漫画の良さだと思う)

「少女漫画も最近は読んでるねん」と友達が言うので、「じゃあ、今度は少女漫画を何か貸してあげようか」と私。『ガラスの仮面』とかどーお?と。これは昭和に生きた少女だけでなく、令和に生きる少女にもきっと響くはず。(しかし、紅天女はどうなったのか)

そこから「そういえば、子どもの頃って、『なかよし』派だった?それとも『りぼん』派だった?」という話になったが、たまたま3人とも『なかよし』派だった。
1970年~1980年代前半のことだが、小学生の女子が読む月刊雑誌は『なかよし』と『りぼん』に二分されていた。『りぼん』のほうがやや年上向けだったかもしれない。(中学生になってから、私は『別冊マーガレット』を愛読するようになった)

3人とも『なかよし』派だったので、いがらしゆみこ先生、あさぎり夕先生、原ちえこ先生などの懐かしい漫画家の名前が挙がって盛り上がった。
「じゃあ、今度は娘ちゃんに『キャンディ♡キャンディ」貸してあげるよ」と私。
「持ってるの?」
「持ってる。愛蔵版で」
これこそ令和に生きる少女にもぜひ読んでもらいたいと思った。

大人になってから読むと『キャンディ♡キャンディ』って、めちゃくちゃドラマチックで面白いし、キャンディのひたむきさや前向きな生き方が素晴らしく、人間ドラマとしても意外に深いのだ。
気になったので調べてみると、『なかよし』での連載は1975年4月号から1979年3月号まで。テレビアニメは1976年10月1日から1979年2月2日まで放送していたようだ。その後、何度か再放送もあったと思うので、私よりもう少し若い世代でも見ていたという人はいるのではないだろうか。
(まったく知らない方、すみません。今回はあらすじなどには触れません)

これ、「あるある」だと私は思うのだが、『キャンディ♡キャンディ』の話になると必ず意見を聞くのが「アンソニー派?テリィ派?」だ。
登場人物の中でまったくタイプの違う2人の男性。
アンソニーはお金持ちでとにかく優しい。金髪で青い瞳という、まさに王子様。バラを育てるのが趣味。(落馬して若死にする)
一方、テリィは家柄はいいけど、ケンカやタバコで退学になるような、ちょっとした不良。最終的に役者になる。
私は「アンソニー」と言ったが、友達は2人とも「テリィ」だった。そのうち1人は「私はテリュース」と本名で呼んでいたので、やるな、こいつと思った。(テリュースという響きが懐かしかった!)

アンソニー。キャンディと出会った頃

しかし、これも大人になってから読むと変わってくる。
といってもテリィ派になったわけではなく、アンソニーとテリィ以外の男性が気になってくるのだ。
その人は、ステア。眼鏡をかけていてパッとしない三枚目のような感じだが、きっと現実にいたなら私は迷わずステアを選ぶなぁと思う。発明が好きで、マニアックで、秘めた気持ちをちゃんと自分でコントロールできて、正義感が強くて。最後は志願して第一次世界大戦に出兵し、戦死してしまうのだが。
あとはアルバートさんの大人の魅力も捨てがたい……。

なんてことを友達と話すのは楽しかった。
納戸の奥にしまってある『キャンディ♡キャンディ』を探しておいて、絶対友達の娘ちゃんに貸してあげよう。
読み終わったら絶対聞くけどね。
アンソニー派?それとも、テリィ派?
令和に生きる少女の目に、彼らはどんなふうに映るのか楽しみだ。

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