【治療日記28】キイトルーダとレンビマ再開!
昨日はリベンジの日だった。
採血、採尿を終えて診察室へ入ると、私が椅子に座るより早く、「いけますよ!」という主治医の大きな声が響いた。
「やった!いけました?」
荷物を置いて座ると、「うん、とりあえず」と検査結果の用紙を見せてくれる。
まだ尿の蛋白はプラス2。決して良い数値ではないが、他には問題はないし、ギリギリ受けられるとのことで、ホッとした。
「レンビマはどうする?今日から飲む?」
「うーん……、明日からにします」
「そうやね、ちょっとずついこか~(笑)」
最近ちょっとレンビマに臆病になっている私と主治医。顔を見合わせて笑った。
でも、なんとか一歩進んだ。
入院し、7回目のキイトルーダを受けることができた。今回は大部屋だったが(やはり個室を第一希望にするのはもったいない気がして)、それなりに快適に過ごせたように思う。
恐怖の点滴ルートとりも、最初から「手の甲でお願いします」と自ら提案。痛いけど何度も失敗されるよりいい。痛いのは一度で済むから。
そんなわけで今回はむやみに針を刺されることもなく、精神的なダメージも抑えられた。
いつも入院時には本を1冊読むのだが、今回はほとんど読書をしなかった。朝井リョウさんの「スター」を持っていっていたが、数ページしか進まず。面白くなかったわけではなく、眠気に襲われていたし、集中力もなかったのだ。
スマホでいろいろ気になっていたことを検索したり、noteの記事を読んだり、うとうとしたりして過ごした。
それから、自分のnoteの記事を書いた。
「気分がアガらない」という愚痴のようなことを吐き出し、どうでもいい韓国ドラマと漫画の話を書いたら、なんだかスッキリした。でも、久しぶりの更新なのに、こんなしょうもないものを読ませてしまって、読者の人たちに申し訳なく思った。
noteは「毎日更新」を目標にしている人が結構いるが、もし私がそれをやったら、こんなどうでもいい話が半分以上になるんだろうな、と思う。皆が思っている以上に、オタクっぷりと愚痴っぽさを露呈することになるのでやめておこう。
しかし、1週間、ほとんど「書く」ということに向き合わずにいたから、文章を書くこと自体が新鮮だった。長い眠りから覚めたかのような。やっと話し相手を見つけたかのような。
どんなに離れても、結局ここに戻って来る。それはどうしたって、そうなんだ。いやというほどわかり切ったことだ。
今朝、退院。
朝ごはんの後、2週間ぶりにレンビマも服用した。もちろん、もう無理はしないから、安定の10mgで。
飲んだ薬と時間を毎日記録しているのだが、これまでの数カ月を振り返って分析してみると、レンビマを休薬している時のほうが痛み止めの量が増えている。あくまでも「平均的に見て」ということだが。
今日もあまり痛みがない。この2週間、痛みが強かったのは休薬していたからかな、と思う。
そうだったら、また今日から痛みが和らいでいくということになる。
そうだったらいいな。
昨日、あんなに「気分がアガらねー!」とわめいていたが、なぜか今は気持ちが浮上してきたのを感じている。
noteに吐きだしてスッキリしたからかもしれないし、痛みが少し和らいでいるからかもしれない。
「かもしれない」ばかりで、実際のところはわからない。
ただ、わけのわからない気持ちの落ち込みはなくなったし、無気力な生活からも脱出できたような気がする。少なくとも文章を書こうという気持ちは戻ってきた。
キイトルーダとレンビマは、私の最後の切り札。唯一残された延命治療。
今はこれが受けられなくなることが一番怖い。
だから、治療を再開できたことにホッとしている。
もしかしたら、自分で意識していたよりずっと強く、休薬が続くことに不安を覚えていて、それが生きる気力を失わせ、気分を落としていたのかもしれない。
結局、また「かもしれない」だけど、たぶん、そんなとこかな。