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生きている間に最終回を読みたい漫画

トップ画とタイトルで何の話かだいたいわかったと思うが、興味のない人には、本当にどうでもいい話を書く。

続きを読みたいのになかなか描かれない漫画ベスト10というものがあれば、絶対にランクインしてくるのがこの2冊だ。

井上雄彦先生の『リアル』
冨樫義博先生の『HUNTER×HUNTER』

それが、最近2冊とも新刊が出たのだ!
『リアル』にいたっては、週刊ヤングジャンプに2020年、2021年、2023年、2024年に掲載されたものが収録されているというので、4年以上かかってようやく1冊完成したことになる。
今回の16巻が出るまでは本当に長かった……!
帯に「25周年」とあったので、どうやら25年前に連載スタートしたのにまだ16巻だということがわかり、改めて驚いている。

『リアル』を知らない人も『スラムダンク』は読んだこと、もしくはアニメや映画で見たことがある人も多いだろう。同じ井上雄彦先生の作品である。
『リアル』もバスケットをテーマにしているが、「車いすバスケット」の話だ。事故などで下半身が動かなくなった登場人物たちが、車いすバスケットに挑戦する。なかなかヘヴィなテーマだ。

読んでいると、さすが井上雄彦先生!と思うシーンが多々ある。
人の心情を絵で表現することがなんてうまいんだろうと感動する。
『スラムダンク』と違ってネガティブな心情も多いのだが、「人が変わる瞬間」みたいなものを、しっかりした伏線を描いてから見せてくれる。だから、作者のご都合主義みたいなところがなく、人の心が動く瞬間を純粋に受け入れることができる。
それが井上雄彦先生のすごさだなぁとつくづく思うのだ。
もっと早く描いてもらって、どんどん続きが読みたいのだが、無理なんだろうなぁ。
次の17巻が出るのはいつになるのやら……?

そして、『HUNTER×HUNTER』だ。
こちらも2年近くかかっての新刊発売。
少し前に仕事の営業さんとLINEしていたら、
「そういえば、HUNTER×HUNTERの38巻が9月4日に出るらしいで」
と聞かされて、楽しみにしていた。
私は50歳を超えたおばちゃんなのに、40歳前後の男性と漫画やアニメの話ができる。
ある意味、特技である。(なぜか心はいつも冒険少年だ。少女ですらない)

待ち構えて、当日購入。
『リアル』だけでもうれしかったのに、『HUNTER×HUNTER』まで出るのか!と、かなりうれしかった。
続きをなかなか描かない理由について、「冨樫先生は腰が悪い」とか「もう描く気持ちがない」などいろいろ言われているが、実際のところはどうなのだろう。
正直、『HUNTER×HUNTER』に関しては、キメラアント編で完結させてもよかったのではないかと個人的には思っている。
私はとにかくキメラアント編が好きで好きで。もう何度そこだけ読み返したかわからない。

昔から、「淋しい人」に弱いのだ。「孤独な人」。
自分が淋しいのが苦手だからかもしれないが、人が孤独で淋しいということに異常に反応して感情移入してしまう。
キメラアント編での王(メルエム)は残酷で非情だったけれど、コムギによって初めて「弱いものを守る」=「愛」が生まれる。その二人の最後のシーンが好きでたまらなくて、何度読んでも泣いてしまうのだ。
友人にその話をしたら、全然共感を得られなかったけれど。どうも私は「感動するポイント」が人とは違うらしい。

話がそれたが、今進行中の『HUNTER×HUNTER』は、とにかく新たな登場人物が多すぎて、もう何がなんだかわからなくなってしまった。前の巻から読み直して、2回読んで、なんとか状況がつかめるという感じ。
主人公であるはずのゴンもまったく登場しないし、大好きなキルアも出てこないので、以前ほどの情熱を持って読むことができない。
でも、今回は幻影旅団の子ども時代の話があって、そこはよかったなぁ。(残酷で悲しかったけど)

実は去年、やっぱり『HUNTER×HUNTER』って面白いなぁと思った。
Netflixで『HUNTER×HUNTER』のアニメをやっていることに気づき、暇つぶしに最初から見始めたのだ。(病気療養中で動けない時が多いから、アニメがあって助かっている)

漫画で何度も読んでいるのにアニメも面白い。私が見ているから夫も一緒に見るようになって、結局二人で夢中になった。
アニメは途中までしか放映されていなかったので、続きを読みたくなり、納戸から漫画を取り出して、久しぶりに再読した。そして、改めてその面白さを実感した。

そういえば、数年前、ある企業のホームページを制作する仕事をしていた時、社員紹介のページを作るために簡単なアンケートをとったことがあった。
「こんな人たちが働いていますよ」とアピールするための自己紹介ページで、そのためのアンケートだ。その項目に「もしも願いが叶うなら……?」だったか「あなたの叶えたい夢は?」だったか、そういう内容のものがあった。
アンケートをまとめるために順番に見ていくと、目を引く回答に出会った。

「生きている間に『HUNTER×HUNTER』の最終回を見たい」

おおーっ!と、思わずうなった。
会ったこともない人だが、親近感がわいた。
そうだよなぁ、生きている間になんとか最終回を読みたいよなぁ。
『HUNTER×HUNTER』好きの、全員の切実なる願いである。

ちなみに、続きを読みたいのになかなか描かれない漫画ベスト10というものが本当にあれば、1位は美内すずえ『ガラスの仮面』だろう。
小学生の頃から読んできて、大好きだった。
40年以上前のことだ。それがいまだに最終回まで読めていないって、そんな殺生な……と思う。

さっき調べてみたら、最新の49巻が出てからすでに12年とか。
こんなにじらしてどうするんだ。

もしも願いが叶うなら、生きているうちに、マヤが紅天女を演じるところを見たい。最終回をよみたい。
きっと大勢の人がそれを願っていると思う。頼むよ、美内先生!

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