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わたしの本棚

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読んだ本の感想をまとめています。
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2021年4月の記事一覧

【最近読んだ本】自分の明日を良くできるのは、今日の自分だけだ。

いじめを受け、家族との関係もぎこちなかった中学時代、主人公の碧は「明日なんて来なければいい」と思っている。 そんな時、偶然ある女性に出逢う。 「みんなに嫌われている」と言う碧の言葉をその女性は否定する。 「あなた自身が、あなたを大事にしていないから。あなたがあなたを嫌っているから。だから周りの人はみんな、ますますあなたを大事にしないし、嫌いになる。こいつはそういうふうに扱ってもいいんだって思われてしまう」 そう言って、蜂蜜の瓶を碧に渡して去っていった。 「蜂蜜をもうひと匙

【最近読んだ本】「死」はそんなに怖いものじゃないのかもしれない。

読みながら何度か「作者は私のブログを読んで資料にしたのではないだろうか」と思った。 絶対にそんなはずはないのだが、主人公の状況や考え方に似ているところがたくさんあって。 「ライオンのおやつ」著:小川 糸 30代で子宮がんになり辛い治療を続けたあげく、余命を告げられた主人公の雫は、瀬戸内の島のホスピス「ライオンの家」で残りの日々を過ごす。 これは雫がホスピスにやって来てから亡くなるまでの物語だ。 私自身、2016年に子宮がんになり、3年は何事もなく過ごしたが、2019年に

【最近読んだ本】どこまでも世間と相いれない人たちの物語

今年、初めて凪良ゆうさんが書かれた本を読んだ。 読み終わった後、涙がぽろぽろっと出た。 最後のシーンに感動して……とかではなくて、本を閉じた後で、なぜだかぽろぽろっと。 何の涙なのかよくわからなかった。 1章を読んだ時は、サスペンスなのかな、と思った。 2章を読んでいる時、何か知っているような感覚になって、これは何だろう、いつ感じたものだろうかと考えてみたら、20歳くらいの時に初めて山田詠美の「放課後の音符(キイノート)」を読んだ時の感覚と似ているのだと気づいた。 決し