五年

僕が最初に SOUND VOLTEX をプレイしたのがいつだったかははっきりと覚えてはいない。 ただ, 最初はあまりこのゲームをガッツリと遊ぶつもりで初めたのではないことは覚えている。 おそらくは東方 project の楽曲が入っていることから興味本位だったと思う。

ともあれ数回もプレイすれば満足するだろうとは思っていたのだけれど, このゲームには「アピールカード」というシステムがあった。 なんのことはないゲーム本編には関係しない, お気に入りのカードを表示してプレイできるだけのシステムなのだが, そのカードを手に入れるためのゲーム内ガチャで下のカードを引き当てて, 有り体に言えば一目惚れした。

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キャラクターもかわいいし, イラストの雰囲気も好きだ。 このカードを引いて, なんとなくこのゲームを続けたいなと考えたのだと思う。

SOUND VOLTEX のキャラクターは, ゲーム内でプレイできる楽曲のジャケットによく描かれる。 主役級のキャラクターは多くの楽曲で登場するのだが, このカードのキャラクターは(少なくとも当時としては)そこまで主要なキャラクターではなく「雪女」という楽曲のジャケットにのみ登場していた。 キャラクターも好きだったが, この曲自体も好きだった。 というか, 後のことを考えると「雪女」のアーティストであるかねこちはる氏の曲自体好みだったのだろうと思う。

それからしばらく経って, 2016 年 6 月 17 日, ふと以下のようなツイートをした。

「黄」というのは SOUND VOLTEX において同じ曲に複数ある 3 種類ある通常難易度のうちの真ん中を指す略語だ。 一般にも馴染み深い音楽ゲームである「太鼓の達人」でいうと「やさしい」「ふつう」「むずかしい」のうちの「ふつう」にあたる。 当時は「雪女 黄」も僕にとってはかなり難しいものであった。

このツイートにリアルの知り合いでもある某氏(現在は Twitter アカウントは削除してしまったようだ)から「雪女 重」をクリアできるようになれ, というような趣旨のリプライがきた。

「重」というのは特殊難易度の一つで, おおむね通常難易度 3 種「紫(青)」「黄」「赤」のどれよりも難しい。 「太鼓の達人」でいうと「おに」にあたると思っていいだろう。

「雪女 黄」ですらクリアできないと言っているのに「雪女 重」をやれという。 当時の自分からすれば無茶ぶりもいいところであった。 参考までに, SOUND VOLTEX では「紫」「黄」「赤」などの「相対的な」難易度の他に, 20 段階(ただし, 当時は改定前で 15 か 16 段階だったはずだ)の「絶対的な」難易度がある。 これも「太鼓の達人」では星マークで示されているものだ。 それによると「雪女 黄」は 12 なのに対し,「雪女 重」は 17 である。 相当な壁だ。

時は流れて 2021 年 4 月 7 日。 5 年もたてばある程度は成長するというもので, その 17 レベルでもいくつかの曲をクリアできるようになっていた。 BLASTER GATE という, 特殊難易度の一部に挑戦するためのモードに入って, 挑戦できそうな 17 レベルをペラペラとめくっていると, ふと「雪女」のジャケットが目に入った。

17。 「雪女 重」。 当時のやり取りを思い出し, いまなら…と選曲する。

結果。 クリアできた。 とはいえ危なげなく…というほどでもないのだが。

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5 年前, 高嶺の花だった曲が, いまや手が届くどころか肩を並べる位置にいた。 5 年前の僕よ, その無茶振りは決して不可能ではなかったぞ。

さあ, 次は「雪女」全難易度ハードゲージクリアだ。

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