見出し画像

起業のあらゆる失敗を潰す。挑戦者の家族までを守る「標準化」の発想

BLUEPRINTは、スタートアップを工場のように大量生産するスタートアップファクトリー事業を運営しています。こちらの記事では、Founderである石井さんにBLUEPRINTを創業した背景について伺いました。

このスタートアップファクトリー事業は「起業を標準化する」ことを目指していますが、これはどんな課題意識から生まれ、どのように世の中を変えるものなのか。これを幼少期の体験まで遡ってお話しいただきました。

ものづくりから得た発想

ーー まず、スタートアップファクトリー事業とはどんなものか教えてください。

その名のとおり、スタートアップをまるで工場のように大量生産していくという事業です。私が経営工学を専門にしていたこともあり、ものづくりにおける「標準化」の考え方に強く影響を受けています。

みなさんは、アメリカにあるフォードという自動車会社をご存知でしょうか。この会社はT型フォードという車種で有名なのですが、このストーリーが私たちのやろうとすることをよく表しています。

20世紀のはじめ、自動車はまだ広く普及していませんでした。というのも、まだ工場などの大型の生産設備がなく、ごく一部の職人が手作業でこれを造っていたのです。そのため、自動車は出荷台数も少なく、しかも非常に高価でした。

そして、この問題を解決したのがフォード社です。彼らは複雑な生産工程を単純作業に分解し、経験の浅い従業員だけでも成り立つ分業体制を敷き、品質管理を徹底しました。その結果、T型フォードは全世界で1500万台も出荷され、たったひとつの車種で世界シェアの55%以上を占め、フォード社も製品価格を5分の1に落としながら従業員の給与は2倍にするという偉業を成し遂げました。

私たちは、このような「標準化」の考え方を「ものづくり」から「事業づくり」に応用しようとしています。より多くの人が、より多くのスタートアップを、より質高く生み出し続けられる、そんな環境を起業という領域で創っていきます。

1920年代のフォード自動車工場の様子(写真=Ullstein bild/アフロ)

徹底的な「守り」の方法論

ーー 具体的には、どのようなものなのでしょうか。

こちらは、時価総額1000億円規模での上場という大成功を狙うものの、リスクを必要最小限に抑え、当たり前だが忘れられがちなことを漏れなくやり尽くすという「守り」の方法論です。

たとえば、私たちはプロダクトをひとつ開発するにしても、見込顧客から金額で3000万円以上あるいは件数で30件以上の内諾(決裁者による、契約の金額、時期、支払条件への口頭合意)が得られるまでは着手しないというルールがあります。

スタートアップの失敗のパターンのひとつとして、一生懸命つくった商品やサービスが、実はお客さんが求めていたものと違っていたというものがあります。起業もやり始めの時期はとても楽しいですから、つい「お客さんが求めているもの」と「自分たちがいいと思うもの」を混同してしまいます。その結果、商品やサービスが売れず、調達したお金もあっという間に溶け、会社は倒産に至ります。

前述のようなルールを守っていれば、このような失敗はしなくて済みます。BLUEPRINTでは、このようなルールが事業計画書の書き方や人の採用基準など様々な分野で3,000以上もリストアップされています。これを守ってスタートアップを立ち上げるので、私たちが立ち上げるスタートアップは必ず創業1年目から億を超える売上がつく、黒字スタートの会社になります。

見てのとおり、私の方法論には攻めよりも守りの意識が強く表れています。持ち前のセンスで最先端のトレンドをキャッチして、資金調達をガンガンして、有名人を広告塔にして、とにかく手広くやっていくというスタイルとは真逆の発想です。有名な経営者で言うなら、ソフトバンクの孫さんよりもキーエンスの滝崎さんのスタイルに近いでしょうか。

しかし、守りの方法論も徹底的に突き詰めれば、揺るがない攻撃力がついてきます。それは、ソフトバンクの時価総額をキーエンスが追い抜いたりしていることからも、おわかりいただけるのではないでしょうか。私たちも時価総額1000億円規模での上場という、攻撃力重視の人でもめったにたどり着けない高い目標をすべてのスタートアップで狙っています。

父の会社の倒産と両親の離婚

ーーなぜ、そこまで「守り」にこだわるのでしょうか。

これには、私の幼少期の体験が大きく影響しています。

私の両親は、私が3歳のときに離婚をしており、私自身も母子家庭で育ちました。離婚の原因は父が教育事業の起業で失敗したことと聞いています。

もう20年以上前のことですが、父はいまで言う「東進ハイスクール」のようなオンラインの学習塾を、時代を先取りして立ち上げていました。しかし、結果的には売上が伸びず、様々なトラブルを抱え、会社は倒産することになります。

また、これにともなう多額の借金は、母方の祖父母が肩代わりして返済しました。この当時は親戚中が大騒ぎになっていたそうです。

私はまだ幼かったため、当時の記憶はほとんどありません。ですが、祖父母が忌々しそうにこの話を口にするたび「父はなぜ、それを防げなかったのか」「どうすれば、同じことを繰り返さずに済むのか」と考えるようになりました。その結論として考え出したのが、いまのスタートアップファクトリーです。

つまり、私にとって起業の標準化とは、論理的な裏付けのある緻密な方法論によって起業における失敗のあらゆるパターンを潰し、そこに挑戦する人たちの成功とそのご家族の幸せな生活を保証するための方法論なのです。

私のもとで、このようなことを繰り返してなるものか。いつも、そう考えています。

同じ教育事業の中で磨き上げる

ーーこの方法論はどのようにつくられていったのですか。

学生起業をした株式会社STANDARDを経営する中で磨き上げていきました。くしくも、父と同じ教育事業でしたね。法人向けであることや、コンサルティングや受託開発までを手掛けるところは違いますが。

私もまったくのゼロからの起業でしたから、様々な壁にぶつかりながら必要な知識をその都度身に着けて、損失が致命傷になる前に問題を解決することをひたすら繰り返しました。以前の記事でも書いたとおり、この会社も東証一部上場企業を中心に650社以上のクライアントを抱えるまでになりましたから、一定の実績は出せたと言えるでしょうか。

このようなバックグラウンドのため、BLUEPRINTも法人向けのDX支援を強みにしています。どんな企業が、どんな現場課題を抱えており、どんなプロダクトをつくれば、どう解決できるかという洞察は、他の誰よりも深く持てていると自負しています。

挑戦者とその家族の人生を守る

ーー最後に、BLUEPRINTへのジョインを考える人へメッセージをお願いします。

私たちは、一緒にスタートアップを立ち上げるという取り組みにおいて、挑戦者となるみなさんやそのご家族の人生を預かるということを深く、深く、理解しています。

常に挑戦をし続けていたい。しかし、家族を危険に晒すわけにはいかない。あなたを悩ませているその二項対立は、どちらも間違いではありません。

あなたに必要だったものは、責任を放り出せるくらいの「気合い」ではなく、二項対立のどちらもを叶えるスタートアップファクトリーという「社会インフラ」なのではないでしょうか。

こうした仕組みが世界にはじめて生まれた時期と、人生であなたが最も勢いに乗っている時期、この2つが重なったことにどこか運命的なものを感じないでしょうか。

ここでなら挑戦できるのかも知れない。そう感じていただけたら、ぜひ選考フォームからお声がけをお願いいたします。

>>カジュアル面談の申込みはこちら
>>株式会社BLUEPRINT Founders ホームページ