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7/1「Arcアーク」鑑賞

私は世界に触れる――
人類初、永遠の命を得た
女性の物語

舞台はそう遠くない未来。
17歳で人生に自由を求め、生まれたばかりの息子と別れて放浪生活を送っていたリナ(芳根京子)は、 19歳で師となるエマ(寺島しのぶ)と出会い、彼女の下で<ボディワークス>を作るという仕事に就く。
それは最愛の存在を亡くした人々のために、遺体を生きていた姿のまま保存できるように施術(プラスティネーション)する仕事であった。エマの弟・天音(岡田将生)はこの技術を発展させ、遂にストップエイジングによる「不老不死」を完成させる。
リナはその施術を受けた世界初の女性となり、30歳の身体のまま永遠の人生を生きていくことになるが・・・。        
             (公式サイトより引用)

「Arcアーク」鑑賞しました。
ケンリュウの「円弧(アーク)」という短編小説が原作となっています。
若干のネタバレを含みますので、閲覧は自己責任でお願いしますm(._.)m

元々、ケンリュウはかなり好きな作家で
ケンリュウ原作ということから期待していました。
それと同時に映像化の不安もかなりありました。

原作だと登場人物はアメリカ人なのですが、
リナはリーナ、エマは原作でもエマなので、
日本人になっても名前の語感は近いです。

「円」は始まりも終わりもないので、不死の隠喩です。
映画の印象だとアークは方舟を指しているように思いがちですが、
方舟はarkであって、arcではありません。
arcは原作のタイトル通り円弧です。
円にふたつの点、つまり始まりと終わりの点が打たれることによって円弧ができるのです。

私は占星術をやっているので、登場人物の星座の設定を考察します。
映画で息子は大晦日生まれになっていますが、
原作では8月となっています。
原作のリーナは、小説の記述から、
12月のある日から2週間後とだけわかります。
12月中旬から、1月上旬です。
つまり射手座か山羊座です。

リーナの人生観や行為から、射手座の可能性が高いと思いますが、
「象徴」を読み解いて考えるとやはり射手座のように思います。
ネタバレになりますが、「不死を放棄する」という象徴が重要です。
射手座の神話は、ケイローンが不死を放棄して死を迎えるものだからです。
弧は弓を連想させます

ここで原作の一文を引用します。

やりたかったあらゆることを達成する事はなく、見たかったあらゆるところを見ることはなく、知るべきあらゆることを学ぶことはなく、だけどひとりの女性として充分すぎる経験をして死ぬのだ。わたしの人生ははじまりと終わりのある円弧(アーク)になるだろう。

映画にもセリフとしてある。
「わたしの人生ははじまりと終わりのある円弧になるだろう」
この文でタイトルが回収されるが、映画ではこの一文が抜けている。
このセリフがないことによって、この作品は映画になったと思う。

手が象徴的に表現されているのも素晴らしく、
原作でも手の描写、重要だと思うんですよね。

ゾディアックは円だけど、
サインははじまりと終わりのある円弧なのだろう。
そんな事を考えながら鑑賞。

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