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#超短編小説

やれよ

「ベランダにいるキモい蜘蛛なんとかして。」
一緒に暮らしてる女が顎で俺をこき使いやがる。
ま、養われの身、文句の一つでも言おうものなら三倍になってかえってくるし、美人なら怒った顔もそそられるが化粧して人並みのこの女じゃな…ニヤニヤ笑いながら、ベランダにひょいと顔を出せば、夕陽にゆらゆら揺れる蜘蛛の巣が目にとまる。なんだか馬鹿でかい気色悪い蜘蛛、俺は怖気付いて「家にいる蜘蛛殺すと祟られるっていうぜ?

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あたくしとおぢさま

「おぢさま、おぢさま!!どこにいらっしゃるの??」
「あ、君か。また騒々しいな、私はここだよ。」
「ふぅ、また寝てらしたのね。あら、なにか臭うわね。心気臭い年寄りが寝てばかりでは、ますます気鬱が激しくなるわよ。あたくしまで気が滅入るわ。」
「またそんな来て早々、どうして君はその口で憎まれ口ばかりきくのかな。」
「だっておぢさま…ごめんなさい。でも、だって、おぢさま、疲れちゃったの。」

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あたいとにいさま

「ただいま…」
「………」
「おいおい、まだ拗ねてるのかい?機嫌なおしてくれよ。」
「ふん。知らないわ。」
「もうここには女を連れてこないからさ。」
「本当に?若さん、あの女はないわよ。40近いっていうのにピンクなんか着て、おまけに香水の匂いが強すぎてあたしの水槽の水まで濁っちゃいそうな勢い。シミや黒子だってチークでごまかしたってあたしという金魚の目はごまかせないわ。可愛くしてれば愛され

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