見出し画像

自意識とコメディの日々

積ん読が多くてなかなか手がつけられていなかったんですが、やっとのことで話題の1冊「自意識とコメディの日々」を読むことができました。

読みやすい文章なんで、読み始めてあっという間に読了。でも内容が軽くて何もないってことではなく、読みやすさと相まって、続きを読みたいという気持ちにさせるストーリー展開がそうさせちゃったという結果です。

愛知県出身の私は、どちらかというとお笑いのベースにあるのは大阪のもので、吉本新喜劇やコテコテの漫才を多く見ながら育ってきました。幼少期は毎週土曜日お昼の新喜劇が楽しみで仕方なかったものです。

大学で静岡に引っ越し、テレビもどちらかと言うと東京よりのプログラムが当たり前に。当時はYouTubeもないし、TVerもないし、ビデオデッキはあるけど基本はオンタイムでテレビを見るという生活。そうすると自ずとこの本でも取り上げられているようなプログラムを楽しむように・・・そんな頃、東京では劇場でのコントがサブカル的な世界を極めていて、その中心に一人のコント作家がもがいていた、と。

「自意識は自分を苦しめるけど、それとちゃんと向き合えば、必ず笑える日々を送れるから。」

これは著者のオークラさんが、まだ小さい息子さんに送ったあとがきにある言葉ですが、とてもいい。こんなことを自分も息子に送ってあげたかった(残念ながら娘しかおらず息子はいないのでできないけど)。

現在も第一線で活躍する多くの芸人さんたち、バナナマン、東京03、バカリズムなどなどの、若かりし頃のお話がたくさん。特に表舞台だけではなく、その舞台裏(私生活)での話などはとても興味深いです。バナナマンの設楽さんが男前で良き。

深夜ラジオ「バナナムーンゴールド」でも言われていたけど、日村さんの話がほぼ出てこないのがちょっと可愛そうだけどウケる。

90年代〜00年代あたりの東京コント史を表側裏側から知れるこの本。特にバナナマンと東京03が好きな方にはビビッとくる1冊だと思います。青春譚としても良書だと思いますよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?