海の底にもどりましょう
そこでは息ができていて
なつかしいと
うつくしいと
きびしいと
けれど
愛だけに包まれていて
そこでだけわたしのかたちが
わたしのかたちで
たゆたっていて
もどりましょう
もどしましょう
地上のうつろその
なつかしく
うつくしい
きびしいけれど
この上なく愛おしい
そのことだけを纏って
海面へと昇りゆく
完全そのものの
泡、また、泡
ここから生まれゆくものは
ここから生まれゆくゆえに
そのすべては
わたしのかたち
そのままから放たれ
海の底の
そこしかないところから
すべて光へと向かう
#詩 #poem #月音花声