鉄道絵本レビュー(番外編) ちいさいあおいでんしゃ
鉄道絵本の名作を何冊か紹介してきたところですがここで番外編、として鉄道絵本の迷作!?、拙作の絵本を紹介させていただきたいと思います。
「ちいさいあおいでんしゃ」
作:ぶるうらいなー
ニコモ
鉄道絵本レビュー第1回で紹介させて頂いた、「でんしゃにのったよ」に出会ってからというもの、この絵本にすっかり惚れ込むと同時に、自分もこんな絵本を作りたい!!という気持ちが湧き、全く未経験からですが、試行錯誤しつつもなんとか1冊作ってみました。
小さい頃から電車好き
自分はもともと幼少の頃から鉄道好きで、乗ったり撮ったり模型を集めたり作ったりと、鉄道趣味から離れた数年間を除いて、ずっと鉄道趣味を嗜んできました。
そういえば子どもの頃は、電車の絵を描くのも好きで、小学校1年生の頃に、学校の絵の時間に描いた絵が、地元の電車の絵のコンクールに入選したりもしたなあ。
絵はその後苦手意識をもち、落書き程度しか描かなくなってしまいましたが。
近所の線路際に定番の観察スポットがあり、友達と電車を飽かずに眺めたり、父のカメラを借りて写真を撮ってみたり、プラレールから始めて、鉄道模型を集めたり走らせたりして楽しんだものです。
架空鉄道の楽しみ
さて、鉄道好きなら多くの人が経験あるのでは!?と思うのが、自分の想像で架空の鉄道を考えてみることです。オリジナルの路線の設定や車両、列車種別など、いろいろ妄想するのは楽しいですよね。
それを絵にしたり、路線図を実在の鉄道のように作ってみたり、模型にしてみたり、楽しみ方はいろいろです。
自分も教科書の端に架空の路線図を描いてみたり、市販の鉄道模型の車両を改造して、架空の車両を作ってみたりしました。
が、模型の塗装が上手くいかず途中で中断したまま、10代後半で一旦鉄道趣味を卒業してしまいました。
鉄道趣味再開のきっかけ
一度興味を失った鉄道趣味を、大人になってから再開したのですが、そのきっかけは、保育園でアルバイトをしたことでした。
毎日子どもたちとお散歩に行っていると、踏切のところで、ずっと離れずに電車を眺める子がいて、「そういえば自分も、こんなふうに電車好きだったよな〜」と思い出しました。
そして帰省したときに、かつて塗装が上手くいかず、途中で放り出していたフリーランス(鉄道模型用語では、実物に基づいていない「自由型の模型」という意味ですね)の模型をためしに作り直してみたところ、案外上手くできて楽しくなり、再度鉄道沼にのめり込むことになったのです。
鉄道絵本に出会って
保育園での経験をきっかけに、絵本を読むようになると、自分が子どもだった時には出会わなかった鉄道絵本に出会い、魅力的な作品がたくさんあることを知りました。
鉄道趣味は、どちらかというと実物を追いかけたり、模型でもリアル志向の楽しみ方が多いですよね。まあ実物を趣味の対象にしてるのだから当然ですが...
絵本は子ども向けのもの、という印象もあり、自分もほとんど興味を持っていなかったのですが、大人のテツの目線でみてみると、
「この物話はどの時代の、どの鉄道の話なんだろう」とか、
「架空の鉄道だけど、実在のあの鉄道の要素が入ってるな」とか、
「わりとリアルに描いてるけど、ここはちょっとあり得ない情景だな〜でもあえてそうしてるのかな」とか、
そういう視点で楽しむことができます。
そうして図書館や本屋さんで、いろいろな鉄道絵本に出会ううちに、自分もこんな絵本を作りたい、作れるんじゃないか!?という思いに至ったわけです。
「ちいさいあおいでんしゃ」について
とある地方都市の、古びたターミナル駅から発車した、ちいさいあおいでんしゃは、街中の高架線を走り、国鉄線と立体交差の駅で接続し、郊外に出て、桜咲く駅を通り、川を渡り山に入って、スイッチバックの駅で電気機関車の助けを借りながら山の終着駅を目指します。
電車が走っていく姿を淡々と描いていて、大きなドラマはありませんが、「小さな電車の旅」を楽しんでいただけたらと思います。拙い絵柄ながら、何を描き、描かないかはかなり吟味し、色味や配色にも気を使いました。ずいぶんと時間もかかりましたが、楽しい作業でした。
とにかく途中で挫折せず一冊のカタチにすることも、大事な目標でしたので、完成できてよかったです。次回作に向けて、課題ややりたいことも色々見えてきました。
まずは、興味を持っていただけたら、お目通しいただけれれば幸いです。
↓下記で、試し読みもできますのでぜひ、よろしくお願いします。
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