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そもそも多汗症ってなんぞ?

ご存知でしょうか多汗症。汗っかきとはちょっと違うんですよね。

汗には【温熱性発汗】【味覚性発汗】【精神性発汗】の3種類があります。温熱性発汗はその名の通り暑い日に汗をかいちゃうやつ。体温を調節するために汗をかきますよね。味覚性発汗は辛いものを食べた時にかいちゃうやつ。これは舌が判別した辛さを暑さと脳が勘違いするとかいう説がありますが詳しい事はよくわかりません。そして精神性発汗。これは緊張したときにかく汗。主に自律神経のバランスが崩れてしまった時にかいちゃう汗になります。

多汗症というのはこの精神性発汗に関係する病気...じゃないな。障害です。

交感神経と副交感神経というのがヒトにはありまして、交感神経を副交感神経がまぁまぁ落ち着いてと律しつつお互いバランスを取り正常な精神状態を保っているのですが、多汗症はこの交感神経が人より過敏に反応しちゃう関係で沢山汗をかいちゃうというのが大まかな概要になります。

んで、ここから更に突っ込んだ話をすると、その沢山かく汗が、全身ではなくて局所的(手や脇、足など)に集中的に汗をかいちゃうのが多汗症という障害になります。障害の度合いには3つの段階がありまして

◆レベル1:うっすらあせをかく

◆レベル2:みるからに汗をかいている状況

◆レベル3:汗が雫になって滴り落ちるレベル

私の場合はレベル3の一番重い重度の障害を抱えています。日本には多汗症の障害を抱えている人が人口に対して大体3%〜4%程度いると言われています。意外と多いでしょ。でも世間的にはあまり認知がされていないのが現状です。

じゃなぜそんなに患者がいるのに世間的認知が低いのかに関しては、マーケッターの端くれとしてクープマンの目標値を参考に話をしたい所ですが詳しくは割愛します。ざっくり説明すると、10%を越えるとようやっと世間的に認知されてきます。なので世間的認知が低いのも頷けるわけで。

多汗症が抱える悩みはかなり深くてほんの一例を説明しますと

◆ノートがふやけて文字が書けない・紙が破ける※勉強することにおいて重度のストレスを抱えます。

◆靴がビチョビチョになる。手入れをしないとすぐ痛む。サンダル?やばいよ。めっちゃ滑るの。

◆スマホのタッチ画面が言うことを聞いてくれない。誤作動する。※ガラケー時代には汗で壊れてお店に持って行ったら店員さんに「水没したんですね」と言われたことがあります。

◆部活動で野球をしていましたがバットが滑って大変。

◆脇にも汗をかくので着替えがめっちゃ必要になる。カラフルな服を着るのに抵抗がある。青いYシャツなんて着れないわ。

◆汗をかくところがとにかく冷える。※手足の冷え性で大変です。

◆手がつなげない・握手が出来ない。←多分これが一番やばい。

等々、話すと枚挙に遑がないというかこれだけで1時間以上話せる自信があります。私生活に十分支障が出るレベルなのですが、じゃなんでお医者さんにかかって治さないの?という話になりますよね。

多汗症を完治させる方法がないの

とはいえ多汗症を治すことはできないのですが汗を減らす方法や最終手段はあります。

◆制汗クリームなどの制汗剤を使用する

◆ボトックス注射を行って神経の反応を抑える

◆ETS(外科手術による交感神経遮断術)

他にも細かいものは色々ありますが、大まかに言うとこういう対抗例があります。制汗クリームについては正直多汗症には殆ど効果がなく汗無双状態、ボトックス注射については半年程度で効果が切れてしまうので継続的な投与が必要で、外科手術については例えば手に汗をかく多汗症の場合、背骨付近を走っている交感神経をちょきんと切って遮断するのですがその副作用のリスクが非常に高いんですよ。代償発汗というのがあって、手に汗をかけなくなったし他の場所に変更しようぜってなっていきなり今まで汗をかいていなかった箇所に大量に汗が出てくる場合があるんです。この代償発汗で悩む方もかなり多い。15年程前、このETS手術を受けようと思って病院に行った時に「【手術後はやっぱやめますので戻してください】というのが日本の医療では出来ず、海外でないと受けれないリスクがあるけどいいですか?」と言われて諦めたんですね。(最近では切らずにクリップで遮断する方法もあるみたいですが詳細がわかりませんのでここでは割愛します)。その診断後、看護婦さんにボソッと「この手術ある意味危険な賭けだからやめといた方がいいよ」と言われました。しかも多汗症に関する治療には保険が適用にならないものが多い。このように多汗症に関しては根本的な解決手段がなく、納得して受け入れるしかないと言うのが現状です。

最近だとなんかワキガと多汗症をセットに打ち出してる美容外科の広告がありますけど脇に汗が出る腋窩(※えきと読む)多汗症とワキガは根本的に違いますのでワキガ手術したからと言って多汗症が治るわけではないのです。汗の量とワキガは関係ない。

多汗症とワキガとは違いますからね?

40歳を超えて、今でこそ多汗症を抱えている事は普通に話せてますが、この多汗症という障害は世間における認知度が低いが故に理解が得られにくく、コミュニケーションという点においては相当な影を落としてしまいます。いじめの原因にもなるし、それが原因で不登校になったり、うつをはじめとした精神疾患を患ったりするんです。小さい頃に幼稚園の遊戯の際に手を繋がなければいけなかったのですが、私はこの障害のせいで相手に拒絶されてしまった事と、先生に理解してもらえなかった事でそれがトラウマになって今でも自分から手を繋いだり握手をする事はしません。

別なマガジンに記載してますが、仕事の関係で適応障害を患って1年ほど休職したんですね。適応障害との因果関係は不明なのですが、自律神経が今まで以上に乱れたのか汗を掻く頻度が多くなり、改めてこの多汗症と向き合わなければならなくなりました。

その中で思ったのが「この多汗症は自分だけの問題じゃないな」と言うのと、「自分マーケッターじゃん」と言う2点。自分以外にも多汗症で悩んでいる人がいるし、課題を解決するのがマーケッターの仕事。多汗症は治せなくてもQOL(生活の質)を向上させることはできるはず。まずは勉強に関するストレスを軽減させる事から始める事にしました。自分も仕事上メモを取ったりする事がありますし。

そう思い立ち、動いていたところにある物質にヒントを得ました。(まだ実現できるかが不明なので詳細は伏せておきます。)その商品を扱っている会社にアプローチをかけてみたところ是非話を聞かせてほしいと言うことになり、アポイントを取ることに成功しました。

このテキストを書いている現在(2019年2月27日)、その物質を扱う会社用にプレゼン資料を作っています。うまくいけば課題解決に向けて一歩を踏み出すことができる可能性があります。プレゼンは3月頭に行いますので実現可否についてはまた改めてご報告したいと思います。

プレゼン結果はどうとして、多汗症を抱えた身として、マーケッターとして、この問題と向き合う事が私の使命だと思います。とは言え私もまだまだこの多汗症に関して知見が高くないのも現状です。課題解決に向けて情報交換をさせて頂きたいと思っておりますので、多汗症に関する情報がありましたら是非教えてください。宜しくお願いします。


◆Facebook:https://www.facebook.com/ryu.fukushi


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