にじの青、本を書く 001.何のために本をわざわざ書くのか。

昨年末2019年の12月に、「自分で本を作ってしまえ!」と決めました。

元々、子どもの頃から重度の活字依存症で本の虫だったのですが、

「本を出版する人 = 有名人または、文学賞を取った人」

そう思い込んでる節が有り、ずっと今の自分には難しいと決めつけていました。

 作ると決めても、未だに、

「私が書いた本を本当に必要としてくれる人は居るのだろうか?」

弱気な自分に耳打ちをされます。

そんな正直な思いも含め、完成までの道のりを書き綴っていこうと思います。

本が自分の名刺になる

 「自分で書いた本を出版する」
 この夢をもう一度、表舞台に引きずり出してくれたのは、2018年に参加したとある合宿型の自己啓発セミナーでした。
 「成功の9step」という人生で成功するために必要な9つの項目について学ぶ4日間の合宿。講師は、ジェームス・スキナー氏。億万長者の経営コンサルタントです。さまざまなご縁が有り、予想もしていなかった泊まり込みの自己啓発セミナーへ参加したのですが、最終日の昼食時間に転機が訪れました。それは、講師ジェームスとの公開質問ランチ会。この場で、私は、1つのバンジージャンプにチャレンジしたのです。

 「私はセクシャルマイノリティです。自分がマイノリティであるからこそ、性にはいろんな形が有ることを見てきました。その経験から、性教育をこれから自分の仕事として行きたいのですが、ブログなどSNSでの発信、講座の作成と実施、本を書く、YouTube動画の作成、まずどれを重点的にするべきでしょうか?」

 公開質問ランチ会は、約80人の参加者が居ました。4日間の間に、会話をし意気投合した数名をのぞき、ほぼ初対面の人の前で自分のセクシャリティについて暴露することは、とても勇気がいることでした。

 ジェームスは、私の質問にこう答えてくれました。

「本を書くべきだ。本を書くことで、あなたの事を知った人がSNSに集まり、講座を受講して、YouTubeチャンネル登録をする。本が人を集めてくれる。あなたを知る名刺代わりになる。」

 一言一句同じではありませんが、本を書くことが全ての導線に繋がると即答してくれたのです。

 大人に向けた性教育の本。

それが、4日間の合宿で私が手にした、未来への切符でした。


手にした切符を使うタイミング

 持ち帰った「本を書く」という未来への切符。
 合宿から戻り、日常へと慣れ親しんでいくうちに、あれほど輝いて見えた切符が重く感じるようになりました。
 出版すると言っても、本を書いたことも無ければ、充分な予算が有るわけでもない無名の私が、どうやって本を作ればいいのか。
 電子書籍という出版を、ちょうど友人がしていたのですが、物質としての本が好きな上に、本屋と言う空間も好きな私には、「本を出版する = 本屋で売れるもの」という思い込みから、ますます未来への切符が重いハードルのように感じられるようになっていきました。

 「性教育の本って、具体的にどんな本なら皆読みたいんだろう?」

 答えの出ない迷路に彷徨いこんで、空回りし続けたころ、友人が自費出版するクラウドファンディングを立ち上げたのです。そして、プロジェクトが終了しても、1000冊手売りする!とネットショップで販売をしているのをみて、「あ、誰でも本って作れるんだ」と気が付きました。

 そして、2020年3月29日。
 私も、本を出版するクラウドファンディングに挑戦したのです。

何のために本を書くのか?

 世界的な経営コンサルタントのアドバイスであっても、「よしやろう!」と直ぐに実行に移れる人は、そもそもコンサルタントを必要としていないくらい分析、行動が出来る人でしょう。
 そのくらい「人生を変える行動」って、簡単なようで躊躇する行動なのです。
 
 私は、これまでいろんな経験をさせてもらいました。アンダーグラウンドのカルチャーに魅かれ、さまざまな性的嗜好があることも経験したし、レインボーチルドレンと呼ばれる、自閉症スペクトラムの子どもたちとの療育経験から、学校現場での性教育には対処できない部分にいる人へ向けた性教育を出来る環境を作った方がいいとも実感しました。
 
 私は、ジェンダーXです。女の身体を持っていますが、男に生まれればよかった、男になりたかったと思う気持ちが子どもの頃からあります。しかし、女であることに嫌悪も違和感もありません。私は私である。今ならそう言えますが、ずっと言えなかった30年以上の経緯が有ります。
 
「自分が何者かよくわからない」

 これほど自分に自信が持てない理由は無いです。だから、人間は身分や持ち物、性別による身体的特徴、顔を美醜にこだわるのです。
 その根っこに、

「自分の性別を個性として受け入れられるか」

という問題が潜んでいるのではないかと、思い至りました。100%、自分がこれまで悩んできたことなのですが、ここについて書くことで、誰かの背中を包んであげられるのではないかと、2020年2月にようやくたどり着いたのです。
 以上が、私が本を書くことを決めた経緯です。



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