ひとりと、独り

"ひとりでいること" が大好きな期間があった。とにかくひとりでいたかった。
ひとりでどこにでもいった。

映画館、本屋さん、レコード屋さん、串カツ屋さん、喫茶店、カフェ、カラオケ、ライブ、特急だってひとりで乗った。
ほんとうにひとりだった。
ただ、ただひとりで行動することに楽しさを感じていたしもうこのまま誰にも気を使うことなく生きていくのも全然アリだと思っていた。

だけどある晴れの日、春の日、桜が咲いていた日。いつも通りひとりで電車に乗って出かけた。
春の西日が美しい公園でひとりで桜を見ていた。急に、猛烈に泣きたくなった。
誰かに会いたくなった。
人と一緒に居たくなった。
本当に。急に。
それと同時に恐ろしくなった。いままで相当な時間をひとりに費やしてきたわたしが急に誰かを求めていいのだろうか、わがままではなかろうか、と。

ひとりの楽しさを追求しすぎた人間の「ひとりダム」が決壊した瞬間だと思ってる。もうひとりでいるのは辞めよう、次は友達を誘って紅葉を見に行こうと思う。
秋までの2人リハビリだ。

では、良い週末を。

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