(干支の一周以上前、二十歳そこそこの頃にに書いたものを未編集で掲載します) 朝、目が覚めると頭が痛い。節々も痛ければ、鼻も詰まっている。一人つぶやく。「風邪ひいたな」 熱を測ってみると、38度4分。これは仕事には行けない体温だ。会社に電話すると、後輩が出る。 「風邪ひいたから休むよ。山本さんに伝えておいて」「わかりました。お大事にしてくださいね」 普段から比較的真面目に仕事に取り組んでいるので、特に休みたいと言っても変な勘ぐりはされないだろう。 前に風邪
俺はA大学の4年生。親元を離れ気ままに一人暮らしをしている。4年生だから就職活動をしているのだが特にやりたいことのない俺は適当に就活をして毎日適当に暮らしていた。親からの仕送りは住んでいるアパートの家賃だけ、後はゴミ収集のバイト代で食っている。ところが俺は飲み会が大好きなのだ。酒は別段強いわけでもないが飲み会の雰囲気が大好きで、誘われるとたいして仲の良くない友達とも飲んでしまう。だから毎月給料日前には飯代もなくひもじい思いをしていた。しかしそんな俺の唯一の救い、それは隣のおば