見出し画像

昔の権利に振り回されてはいけません

みなさん、こんにちは。

慣行水利権というものをご存知でしょうか。国土交通省のHPによると、

「旧河川法(明治29年公布)施行以前あるいは河川法の適用を受ける法定河川(一級、二級、準用河川)として指定される以前から、特定の者による排他継続的な事実上の水の支配をもとに社会的に承認された権利をいわゆる慣行水利権といい、これについては、改めて河川法に基づく取水の許可申請行為を要することなく、許可を受けたものとみなされます。」

と、紹介されています。

簡単にいうと、法律に定められる前から、例えば、農業などで、川や、水路を独占して使っていた人たちの権利のことです。

農業などで、農家の方達が、水路の清掃や管理をしているから、一般の人に勝手に排水などを流されたら困るから、排水を流させないとか、どうしても流す時は、お金が必要だったりしていました。

これらの権利を持っている人たちのことを水利組合などといったりします。

僕が、家を建てたときも、その地域の水利組合の方から、排水を側溝に流すなら、お金を払うように言われました。

当時、僕は、建築設計事務所に勤務していたので、当然、水利権のことは知っていましたが、そもそも、水利組合は、実質、何もしていないし、僕が家を建てる予定だった土地の前の側溝の清掃は、地域で別途、お金を集めて、年に一度、清掃業者に清掃を委託していたことを知っていたので、なんのためのお金を請求されているのか、意味がわかりませんでした。

また、僕の家は、汲み取りではなく、合併浄化槽を設置する予定であったため、雑排水を側溝に流すこともないので、いよいよ、水利組合は、なんの、お金を請求しているのか、わかりませんでした。

このことを、水利組合の方にも伝え、百歩譲って、汲み取りならわかるけども、合併浄化槽を設置して家から、なんの管理費をとるつもりなのか、聞いてみたのですが、明確な答えは返ってきませんでした。

結局、水利組合の方の家は、僕の家の真前だったこともあり、今後のことを考えると、関係性が悪くなっても仕方ないので、最終的には払いましたが、裁判などになったら、このようなお金は、払わなくて良いという、判例が出ています。

このように、昔は、もしかしたら、意味のきちんとあった権利でも、時代の変化や、技術革新によって、今や、その権利を主張することがナンセンスになっているケースというのは、まだまだ、特に田舎には残されていると思います。

このあたりの話は、きちんと一度、今の時代に合うものなのか精査して、今後、どのような形で残すのか、廃止するのか、考えないと、まちづくりの足かせとなり、衰退の原因となってしまいます。

そうならないように、地域全体で、まちづくりについて、議論をしていくことが重要だと思います。

それでは、また。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?