どうする!離乳食作り

 離乳食が始まり、2ヶ月になる。これまで離乳食など全く作ったことがなく、当初は慣れなさ過ぎて失敗を連発した。
初めて十倍がゆを作った日には、鍋で煮たおかゆを小さな裏ごし用のざるに移す段階で、盛大にこぼし大半のおかゆを失った。調理台や床はおかゆでドロドロになり、私は台所ですねてしばらく立ち尽くした。
煮た食材をどうにかすりつぶせてもお湯を入れすぎ、ペーストを通り越して液体にしたこともあった。
(こんな大変な離乳食、毎日なんて無理じゃない?)
などと思ってしまった。
しかし、私が動かない限りひなちゃんの離乳食は進まない。そこで(今日だけは頑張ろう)を繰り返し、便利なアイテムとつかんだコツを駆使し、安定して離乳食を作れるようになった。
 離乳食づくりのアイテム一つ目は小さな鍋だ。離乳食初期のおかゆなどは一食数十グラムときわめて少ない。作り置きも基本的には冷凍で一週間程度しか置けない。
そこで少しの量を短時間で作るには小さな鍋がぴったりだ。
小さな離乳食用の製氷皿や裏ごし用のざるに移し替える時も小さな鍋は扱いやすい。
 二つ目はおかゆを作るボウルだ。プラスチック製でふたもついており、ご飯と水を入れレンジでおかゆを作ることができる。
このボウルにお米と水を入れれば炊飯器で炊くこともできる。自分たちで食べるご飯を炊きながら、おかゆも同時に作れるという便利な道具だ。
ボウル自体は片手で持てる程度で鍋ほど大きくないため、洗うのも楽だ。
 三つ目は小さな裏ごし用のざるだ。一食分など少量の野菜やシラスをすりつぶす際にはとても便利だ。
 四つ目はハンドブレンダーだ。ブレンダー用のビーカーに移し替えた野菜やおかゆをハンドブレンダーにかけるだけであっという間にペースト状にすることができる。
 五つ目が離乳食用の製氷皿だ。柔らかいプラスチック製で少しねじるだけで凍った離乳食を取り出せる。
製氷皿にはふたもついている。そのため冷凍庫でこぼれることや冷凍庫の臭いが離乳食に移ることを少なくできる。サイズも豊富にある。
私は毎日食べるおかゆには氷を12個作れる製氷皿を使い、野菜やシラスなど時々食べるものには氷を四つ作れる製氷皿を使っている。
 六つ目は離乳食のレシピが載ったウェブサイトだ。離乳食に適した食材や味付け方法を知りたくても、自治体でもらった離乳食ガイドは紙媒体のものしかなく、読むことができなかった。そこでクラシルなどのレシピサイトや、たまひよなどの子育て情報の載ったサイトで離乳食の作り方を調べることにした。
スマホで手軽に調べられ、サイトによっては一食分から一週間分までそれぞれの分量が記載されており、とても使いやすい。
 次に離乳食を作る際のコツだ。
一つ目は量に応じた調理器具の選択だ。大量のペーストを作る際はハンドブレンダーで一気に仕上げる。一方少量の場合は、鍋の底で薄く広がった食材にハンドブレンダーの歯が届かず、混ぜたり刻んだりしきれない。
そこで一食分の離乳食は小さな裏ごし用のざるを使う。
おかゆも一週間分であれば、コンロで鍋を使い作る。一食分の場合はレンジでおかゆ用のボウルを使い作る。
 二つ目は小さなものから大きなものへの移し替えだ。私は大きな鍋から小さな容器に食材を移し替えることがとても苦手で10回のうち8回はこぼす。そこで、なるべく小さな鍋から大きな器に移し替えたり、小さな容器に移し替えなければならない時にはおたまやスプーンを使ってきた。
鍋を高々と持ち上げ小さな容器に液体を流しいれるなどという神業は授からなかったのだ。
離乳食用の製氷皿にも鍋を傾け一升ずつ離乳食を流しいれることはできない。そこでひとまず製氷皿の中心で鍋を傾けたまま流しいれ続けることにした。
製氷皿の中心の升がいっぱいになると、自動的に隣の升へと液体が流れて行きまんべんなく製氷皿に離乳食を入れられる。
一升ずつに入れられなくても、製氷皿全体が的だと思えば、思い切って鍋を傾け流しいれることができる。仕上げに製氷皿を軽く揺らし全体に液体を行き渡らせる。
 こうして私はペースト食づくりに慣れていった。カボチャペーストでもシラスペーストでも大丈夫だと思えてきた。
ところが、ひなちゃんはネクストステージである離乳食中期に突入しつつある。なんということか。
舌ですりつぶせる程度の柔らかさとか適度にとろみのついた刻み食とか。すでにミッフィーのエプロンをつけ、赤ちゃん用スプーンを右手に掲げたひなちゃんからそんな難しいオーダーが入り始めている。

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